飛鳥資料館 令和元年度冬期企画展

「飛鳥の考古学2019」

本展覧会では、平成30年度に飛鳥藤原地域で行われた発掘調査の成果を紹介します。

7世紀に都がおかれた飛鳥には、宮殿、寺院、官衙、古墳など数多くの遺跡が眠っています。それら飛鳥の古代遺跡では、日々、発掘調査が続いています。
飛鳥宮の庭園遺跡である飛鳥京跡苑池では、北側の池が全面的に調査され、飛鳥時代の庭園の具体的な姿が判明しつつあります。その苑池を東に望む甘樫丘の南端に築かれたのが、小山田古墳です。古墳西南部で墳丘の盛土と西裾部が確認され、古墳の形状や規模を復元する新たな手がかりが得られました。飛鳥寺の北方で行った調査は、狭い範囲でしたが、寺域北部の整備過程をより詳しく知ることができるようになりました。また、古代の幹線道路である山田道の調査では、道路に関わると推測される溝がみつかっています。
藤原京域でも、調査が進んでいます。藤原宮の大極殿院では、北面回廊の調査により、北門の位置や回廊の構造とともに、造営過程の詳細もわかってきました。藤原宮の西1.5㎞付近に広がる四条遺跡では、多くの藤原京期の建物が新たに確認され、四条大路の北と南における土地利用の一端が明らかとなりました。
今回の展覧会では、以上のような、平成30年度に飛鳥藤原地域で行われた発掘調査の成果を中心に、石神遺跡や飛鳥寺、坂田寺から出土した遺物についての最新の調査研究の成果などもあわせて紹介します。この冬は、発掘調査と出土遺物が明らかにした飛鳥の歴史研究の最前線をぜひお楽しみください。

イベント概要 Event Summary
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