奈良市街から車で約30分。「ざわざわしないところで暮らしたい」と築100余年、茅葺屋根の平家を購入した小林さん夫妻。田の字型の和室、土間玄関の古民家を、太い梁や趣のある建具などは残しつつ、2人のライフスタイルに合った家にセルフリノベーション。
基礎や構造はプロに任せ、漆喰壁やペンキ塗りなどはすべて自分たちの手で。住み始めて4年、斡旋・施工したアルカイック建築設計事務所が「素晴らしい、の一言。色もうまく使いこなし、大事に住まわれていてうれしい」と手放しで称賛する。
ご主人は外回り専門。広い庭をイングリッシュガーデンに仕立てている。内部は奥様、漆喰の白を基調にドアなどは好きな色を何度か塗り直した。プリザーブドフラワー作家である奥様のアトリエ兼教室と料理好き夫婦が揃ってキッチンに立てる広々LDKに、愛猫4匹と物干し用のサンルーム。「一部の棚や灯油ボックスなどもDIYで」。趣味の域を超えた労力も使ったが、隅々までがいとおしそう。ほぼ、完成したように見えてまだまだ進化中。
「玄関たたきの床上げと2階を足すことも考えています」と、施工社のアドバイスをもらう。これからも何年かごとにお邪魔してみたいお宅だ。