故人に寄り添う家族葬のカタチ

最近、新型コロナウイルスの流行もあって葬儀は「家族葬」が多くなっている。コロナ禍において自らの生命にも感謝し、より故人に寄り添う葬儀や供養を求める人が増えている。私たちの死生観にも変化が生まれている今、納得のいく家族葬を考える。

家族葬とは・・・

家族や親しい友人を中心とした少人数でのお葬式のこと。基本的な流れは一般葬と大きく変わらない。一人ひとりが故人を心ゆくまでお見送りできるのが特徴。

参列者の数

5人~30人以上と、密葬に近いものから一般葬と変わらない規模まで幅広い。家族・親族以外の人が参列しても問題ない。また、家族葬の参列者は何人までという決まりはない。

費用

約50万円~約200万円 ※参列者の数と内容で異なる  [参考] 全国平均 195.7万円

葬儀一式費用 約121万円 + 通夜からの飲食接待費 約31万円 + 寺院費用(お布施) 約47万円

出典:日本消費者協会 第11回「葬儀についてのアンケート調査」

葬儀の場所

葬儀社会館、公営斎場、自宅、地域の集会所、寺院など、葬儀が行える場所であれば、基本的にはどこでも行える。

メリット

気苦労が少なく、故人とゆっくりと落ち着いたお別れができる

ご近所での手伝いや儀礼的な参列がなくなる

 葬儀会館…少人数での見送りに適した空間も用意。バリアフリー対応や、宿泊施設を兼ねているケースも多く、遠方や高齢者にも優しい。

 公営斎場…火葬場が併設されていたり、火葬場が近くにあったりするケースが多く、移動の負担がない。その一方で、参列者の数を考慮せず選ぶと、少なくて寂しい感じになることも。

デメリット

参列者の範囲を狭めると、知らされなかった人が「故人とお別れがしたかった」と寂しく思われるケースも…

ご近所づきあいの機会が失われる

家族葬のポイント1 お別れのカタチを考える

お葬式の予算は?内容は?場所は?人数は? 希望するお別れのカタチを考えよう。注意したいのは、見送る側と見送られる側の意思が異なるケース。例えば、見送られる側は残された人に負担をかけたくないと思う反面、見送る側は、心を尽くした寂しくないお見送りで、故人への感謝を伝えたいと考えるもの。

だから、生前に家族間で一度話し合う機会を設けたい。  葬儀社での事前相談が最適

★好きな歌手の音楽をかけたい♪
★お花でいっぱいにしたい
★お気に入りの衣装で
★遺影はこだわりたい
★最後は自宅から送り出してほしい(送り出したい)
★広すぎない会館でゆっくりとお見送りしたい

【参考】参列者の規模については、範囲を限定せずに故人の交友関係をリストアップすることで、後から漏れていた!とならない。

家族葬のポイント2 葬儀費用について

家族葬に限らず、葬儀にかかる費用は、大きく以下の4つで構成される。

葬儀費用 = A:葬儀一式の費用(火葬含む葬儀プラン) + B:宗教費用(お布施) + C:おもてなし料(精進落としなどの飲食・返礼品など) + D:施設利用料

各葬儀社が設定する家族葬プランが、上記費用のどこまでを含んでいるかを確認することが大切。特に大手ポータルサイトなどで、低価格と合理性のみを謳ったプランには要注意!

家族葬だから一律◯◯円というものではなく、葬儀費用は会葬者の人数やサービス内容に応じても変わる。そのため、葬儀社に予算や希望を伝えて、数社から見積もりを取り寄せよう。

家族葬のポイント3 家族葬に弔問に伺うマナー

身近な人が亡くなり、家族葬の案内があった場合、どのようにお悔やみをすればいいだろうか。

弔問しても大丈夫?
一般的には参列を遠慮されている場合が多いが、ご遺族が望む場合、あるいは親しい関係であれば、ご遺族に事前に連絡の上、許されれば弔問に伺おう。供花などは葬儀場に問い合わせを。自宅の場合は、供花、お線香などをお供えするのがベター。ただし、お通夜前の弔問は避けよう。

ご遺族が弔問を断っていたら?

供花やお線香、弔電などを葬儀場に問い合わせの上、送り、弔慰を表そう。

家族葬がすでに終わっていたら?

弔問する場合は、必ず事前連絡を。できれば四十九日までに弔問するか、ご遺族が特別に断っていなければ供花やお線香などをご遺族に送り、弔慰を表そう。

家族葬のポイント4 今からできることは、 地元の葬儀社に相談する

 インターネットでカンタンに資料請求・見積りができるようになったが、やはりアクセスが良く、地元に根差した葬儀社に相談することをおススメしたい。可能であればぜひ数社に。会館見学やスタッフとの対話を通じて、各葬儀社の雰囲気やプランの違いを学ぼう。また、葬儀社独自の会員制度を設けている施設もある。多くは入会金・年会費無料で、葬儀費の割引などの特典付き。事前相談・見積依頼の際に、一緒に会員登録もしておこう。

●準備すべきことがわかる(慌てずに準備できる)
●費用概算がわかる。
●葬儀内容も整理できる(予算内でしたいこと、割愛すること)
●会員制度で、葬儀時の特典を受けられる

【出典】奈良の情報誌「月刊yomiっこ」2021年3月号の記事を改編

家族葬を取り扱う施設

家族葬ホール ひかりの森(平群町)
セレモニーホール有宏社・セレモニーホール雅(大和高田市)
株式会社 公益社(奈良市)