特別展『宋元仏画─蒼海(うみ)を越えたほとけたち』

その多くが国宝、重要文化財に指定される「宋元仏画」
日本の仏教や美術を成熟へ導いた崇高なるほとけたちが2025年、秋の京都に集う

宋元仏画(そうげんぶつが)とは

中国の宋と元の時代に制作された仏教絵画のことをいいます。
古くから仏教をあつく信奉してきた日本は、仏教の先進国であった中国から多くの文物を舶載してきました。
平安時代後期から鎌倉時代を中心に中国から舶載された宋元仏画も代表的な請来品(しょうらいひん)(願い求めて外国から持ち帰ったもの)のひとつで、絵画史上でも特筆される、きわめて高い水準を持つものが多く含まれています。
これらは寺院のなかで祀られたほか、絵師の手本となるなど、長い時間をかけて日本文化に深く浸透してきました。
本展では、国内に所蔵される宋元仏画をあつめ、制作された当地の文脈に照らしながら、それぞれの特色を紹介。
“宋元仏画” ということばで括りながらも、描かれた内容や制作された時代、地域、たずさわった人々など、その様相は複雑かつ多彩です。
宋元仏画を紐解きながら、その魅力に迫るとともに、この絵画群を伝えてきた日本文化の国際性や包容力、多様性をあらためて見直す機会となれば幸いです。

本展の見どころ

多くが国宝・重要文化財!
「宋元仏画」は、日本の仏教や美術の発展に深く関わるなど、文化的な影響力が極めて大きなものでした。そのため、海外の作品にもかかわらず多くが国宝や重要文化財に指定されています。出展総数150件以上、その約半数が国指定文化財です*。
*2025年5月時点。今後、増減する可能性あり。
まとまって残るのは日本だけ!
宋・元時代の絵画作品のなかでも、宗教画である仏画は、鑑賞や収集の対象にならなかったため、王朝の交代などによって中国ではほとんどが失われてしまいました。一方、日本には古くから伝わる宋元仏画が数多く残されており、世界に現存する宋元仏画のうち、大半は日本に残されていると推定されます。
中国絵画の神髄!
絵画表現の水準の高さは宋元仏画の大きな魅力です。宮廷がリードして芸術文化が円熟期を迎えた宋代仏画の壮麗さ、社会の大転換のなか少しずつ変容を遂げた元代仏画の多様性など、見どころの多いものばかりです。日本の絵師が手本として仰いできた、中国絵画の神髄に触れることができます。
【 特別展 詳細 】

関連イベント

記念講演会
9月27日(土)
幻視と示現―宋元仏画の視覚表象―
井手誠之輔 氏(九州大学 名誉教授)
10月11日(土)
戦国武将と宋元画
羽田聡 氏(京都国立博物館 企画室長兼美術室長)
10月25日(土)
奝然請来の仏典とその影響
上杉智英 氏(京都国立博物館 主任研究員)
11月8日(土)
宋元の道釈人物画―境界をうつろう聖者―
森橋なつみ 氏(京都国立博物館 研究員)
国際シンポジウム
10月17日(金)
特別展「宋元仏画」開催記念 国際シンポジウム
日本に請来された“宋元仏画”をめぐって
イベント概要 Event Summary
開催日
2025年9月20日(土)〜2025年11月16日(日)
開催時間
9:00~17:30、〈金曜日のみ〉9:00~20:00
※入館は閉館の30分前まで
開催場所
京都国立博物館 平成知新館(京都市)
料金
一般 2,000円(1,800円)、大学生 1,200円(1,000円)、高校生 700円(500円)
※( )内は前売・20名以上の団体料金(前売券の発売は9月19日(金)まで)
※中学生以下は無料(要証明)
お問合せ
電話:075-525-2473
【休館日】月曜、10月14日(火)、11月4日(火)
※10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)は開館
京都国立博物館
  • 住所: 京都市東山区茶屋町527
  • 休館日: 月曜(祝日の場合は開館、翌平日休館)
  • HP: https://www.kyohaku.go.jp/

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