奈良県立美術館
特別展「生誕100年 中村正義 ーその熱と渦ー」
奈良県立美術館にて、特別展「生誕100年 中村正義 ーその熱と渦ー」が7月6日(日)まで開催中です。

『日本画の風雲児』『反骨の画家』中村正義の実像に迫る展覧会
日本画家・中村正義(1924-1977、愛知県豊橋市生まれ)は、日展の重鎮である中村岳陵に師事して戦後の日展で将来を嘱望されましたが、会員に推挙された1961年に師のもとを離れ日展からも離脱します。以後、旧態依然とした日本画壇に反逆し続けたことで、異端・鬼才・風雲児などさまざまな呼称がこの画家の名前に冠せられ、戦後の日本美術において特異な存在と目されてきました。多彩で精力的な活動を展開する一方、同時代の作家たちと深く関わり、彼らを巻き込んでさながら台風の目のように強い牽引力を発揮したことも注目に値します。針生一郎とともに立ち上げた「日本画研究会」では、朝倉摂、横山操、片岡球子など在野の画家たちと日本画のあり方について研鑽を重ね、その後同郷の星野眞吾とともに異色の美術グループ「人人会」を創立したほか、更には多様なジャンルの表現者を取り込んだ芸術祭「東京展」の構想と実現へと至ります。
一方で世に認められることなく病没した三上誠の才を惜しみ、回顧展の開催に力を尽くし、速水史朗や岸本清子ら若い画家たちへの支援を行うなど、ジャンルや世代を超えて「つながる」ことを重視した作家でした。自身も道半ばの52歳で病没しましたが、その短い生涯はさまざまな画家や関係者に影響を及ぼすとともに、そうした交流によって正義の画業のダイナミズムが生み出されたとも言えるでしょう。
本展は生誕100年を記念し、正義の画業を代表作によって俯瞰するほか、こうした交友関係にも着目し、関連作家の作品もあわせて紹介。
また、映画や舞台美術、住宅デザインなど正義の関わった多様な活動にも焦点をあて、あらためて正義の実像に迫ります。
また、映画や舞台美術、住宅デザインなど正義の関わった多様な活動にも焦点をあて、あらためて正義の実像に迫ります。
関連イベント
開催記念 特別対談「現代へ中村正義からのメッセージ」
【語り手】中村 倫子(中村正義の美術館館長)・籔内 佐斗司(彫刻家・奈良県立美術館館長)
【日 時】5月31日(土) 14:00~15:30
【会 場】1Fレクチャールーム
【定 員】60名(当日先着順)
美術講座「中村正義の魅力」
【講 師】深谷 聡(奈良県立美術館学芸員)
【日 時】6月15日(日) 14:00~15:30
【会 場】1Fレクチャールーム
【定 員】60名(当日先着順)
巡回展クローズドイベント
「生誕100年を超えて、中村正義-その熱と渦―と、これから」
「生誕100年を超えて、中村正義-その熱と渦―と、これから」
本巡回展を開催した3美術館の担当学芸員が、展覧会を振り返り、そして中村正義のこれからについて語る。
【語り手】丸地 加奈子(豊橋市美術博物館学芸員)・勝山 滋(平塚市美術館館長代理)・深谷 聡(奈良県立美術館学芸員)
【日 時】7月6日(日) 14:00~15:30
【会 場】1Fレクチャールーム
【定 員】60名(当日先着順)
担当学芸員によるギャラリートーク
【日 時】6月7日(土)、28日(土) 14:00~15:00
【会 場】奈良県立美術館展示室
対話型鑑賞ワークショップ-日本画を読み解く
【講 師】山本 雅美(奈良県立美術館学芸課長)
【日 時】6月1日(日)14:00~16:00(13:30受付開始)
【会 場】1Fレクチャールーム/展示室
【定 員】15名(事前申込制・先着順)
ハローミュージアム
未就学児とその家族のための美術鑑賞会
未就学児とその家族のための美術鑑賞会
【開催日】6月21日(土)
【講 師】山本 雅美(奈良県立美術館学芸課長)
【会 場】1Fレクチャールーム/展示室
【定 員】各回 5組(事前申込制・先着順)
常設ワークショップ「自画像を描いてみよう」
会期中随時開催
正義にならって、自分だけのスタイルの自画像を描いてみるワークショップ。
【会 場】ショップ脇フリースペース無料エリア