〈奈良市〉100点超の国宝が奈良に集結!『超 国宝—祈りのかがやき—』開幕(6/15まで) 2025.4.18 鮎 奈良国立博物館開館130年を記念する初の大規模「国宝展」 1895年に開館した奈良国立博物館(当時は帝国奈良博物館)では、開館130年を迎える本年、奈良国立博物館開館130年記念特別展『超 国宝—祈りのかがやき—』を開催します(4月19日~6月15日)。開幕に先立ち、4月18日に報道内覧会が行われたので、Narakko!編集部もお邪魔してきました! 同展では国宝112件、重要文化財16件を含む研究員選りすぐりの143件を展示。同館が専門としてきた仏教美術・神道美術100%の国宝と関連する文化財を展観します。 国宝 重源上人坐像鎌倉時代・13世紀 奈良・東大寺【通期展示】 仏教・神道美術100%!気になる見どころは? 本展は全7章構成で展開されます。第1章「南都の大寺」では“百済観音”で知られる観音菩薩立像(法隆寺)や、金銅八角燈籠火袋羽目板(東大寺)など、奈良博と縁の深い南都(奈良)の仏像・名宝が集結します。 国宝 観音菩薩立像(百済観音)飛鳥時代・7世紀 奈良・法隆寺【通期展示】 第2章「奈良博誕生」では、奈良博誕生以前、1875年から18回にわたり東大寺で開催された「奈良博覧会」にも出陳された奈良博草創期の文化財を展示。法隆寺の国宝・竜首水瓶も東京国立博物館から里帰りします。 また3月に国宝に指定されたばかりの「伎楽面 呉公(法隆寺献納宝物)」にも注目。仮面としては初めての国宝指定なんだとか! 国宝 天燈鬼・龍燈鬼立像(天燈鬼)鎌倉時代・建保3年(1215) 奈良・興福寺【前期展示】 国宝 伎楽面 呉公飛鳥時代・7世紀 東京国立博物館(法隆寺献納宝物)【通期展示】 第3章「釈迦を慕う」では飛鳥時代から鎌倉時代までの舎利信仰をはじめとする、釈迦を慕う思いが生み出した名宝を展示。釈迦の真の姿だと信仰を集めた京都・清凉寺の釈迦如来立像とともに舎利荘厳具の数々が一堂に会します。 国宝 金亀舎利塔鎌倉時代(13世紀) 奈良・唐招提寺【通期展示】 第4章「美麗なる仏の世界」では、華麗なる彩色や截金(きりかね)を駆使した平安仏画のほか、平安から鎌倉時代に制作された美しい仏像や工芸作品が出陳。運慶のデビュー作ともいわれる円成寺・大日如来坐像も通期展示されます。 国宝 大日如来坐像平安時代・安元2年(1176) 奈良・円成寺【通期展示】 第5章「神々の至宝」は神道美術がテーマ。石上神宮の七支刀をはじめ、神々の姿を表した絵画や彫刻、精緻な技巧が凝らされた神宝を通じて、神々に対する祈りの世界を観る展示に。 国宝 七支刀古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮【通期展示】 第6章「写経の美と名僧の墨蹟」では、日本を代表する古写経とともに、高僧たちの墨蹟にみる書の美の世界を紹介。経典の文字で形作られた精緻な宝塔曼荼羅など、細部に宿る美の世界をご堪能あれ♪ 国宝 金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅 第六幀(一部)平安時代・12世紀 岩手・中尊寺大長寿院【4月19日~5月18日】 本展の結びとなる第7章「未来への祈り」では、文化の灯を次の時代につなぐ思いを込めた展示が行われます。中宮寺の菩薩半跏像を中心に、仏さまと向き合える特別な空間を設えています。 国宝 菩薩半跏像平安時代・8世紀 京都・宝菩提院願徳寺【通期展示】 中止となった特別展グッズも復刻販売! また本展では、2020年にコロナ禍で開催中止となった東京国立博物館の特別展『法隆寺金堂壁画と百済観音』を記念して海洋堂が制作した、初の百済観音像公式フィギュアを復刻。パッケージも一新して販売されるのでこれを機にぜひお買い求めください。 グッズ 百済観音立像フィギュア グッズ 百済観音立像フィギュア 会期中は大阪・関西万博に加え、京都国立博物館 大阪・関西万博開催記念 特別展『日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―』や、大阪市立美術館『日本国宝展』など日本中の名宝が関西に集う奇跡の2か月間に。万博や周辺館の特別展と共に、国宝の聖地・奈良ならではの仏教・神道美術の粋をご覧ください。