〈川上村〉明治創業の老舗旅館『朝日館』の特製お弁当がうまい! 2025.7.2 鮎 かつての宿場町に唯一残る老舗旅館『朝日館』 奈良県川上村柏木地区にある明治14年(1881)創業の旅館『朝日館』では、宿泊はさることながら、お弁当のテイクアウトもしているとのことで、今回はそちらを利用してみました! 柏木地区はかつて大峯山参詣の宿場として栄えた集落。東熊野街道(旧R169)沿いに旅館や商店などが軒を連ね、往時は現在村役場のある迫地区と並び賑わっていたそうです。 しかし大正時代に洞川(天川村)へのバスが開通したことで、より山上に近く温泉のある同地に登山客が移るようになり衰退。旅館街も現在は朝日館1軒のみが営業を続けています。 戦後もまだ賑わっていたそうですが、大迫ダムの工事の際、重機が通れるよう集落外に国道を付け替えたことで通行量が減少。こちらも衰退の原因のひとつなんだとか… お弁当を受け取りバスを待つ間、お茶をいただきながら玄関周辺を見学。タバコを売っていた名残の店頭カウンターや、「となりのトトロ」で見るような電話室などがありました。 電話室の電話はある物好きの手によってプッシュホンが設置されて、受話器が現役で使用可能だそう。ちなみに電話交換は100m北の郵便局にあったそうですよ。 さて、気になるお弁当は竹の皮に包まれた昔懐かしいスタイル。昆布と梅のおにぎりに、アマゴの甘露煮、卵焼き、唐揚げ、山菜の副菜3つ、柚子羊羹が入っています。 アマゴの甘露煮は骨までほわほわで、余すことなく食べられる柔らかさ。山菜の副菜たちもダシが染みてておいしい! おにぎりも大きくてボリューム満点です♪ デザートの柚子羊羹は三代続く朝日館の銘菓。自家栽培の柚子の皮を練り込み、食紅でおめでたい赤色に色付けられた羊羹は甘くも柚子の爽やかさも感じるスッキリ味! これだけ充実してて950円は嬉しいですね♪ 要予約(原則3日前まで)ですが、川上村方面に行かれる方はぜひ一度食べてみてください! 時代に取り残された宿場町を散策してみるのもおすすめです。今度は宿泊で訪ねてみたいな♪