綿の魅力と可能性を全国ネットで紡ぐ
去る11月15日・16日の2日間にわたり「2025全国コットンサミットin天理」(並河健実行委員会会長/天理市長、梅田正之実行委員長/H.A.M.A.木綿庵代表)
が開催されました。
第10回記念大会となる今回のテーマは「いのちと未来にたねをまく―SDGs未来を担うこどもたちへ、人生百年時代のその先を見据えて―」。全国で綿花栽培や綿製品に携わる人々が参集し、その活動発表や展示、綿摘み・綿繰り・糸紡ぎ・機織り等のワークショップ、体験型見学会などで来場者に綿の魅力と社会課題解決の可能性を伝えました。
全国30都道府県から約1200人が参加
ボランティアには100余人
15日の会場は天理市民会館で開催されました。大ホールでは天理高校吹奏楽部によるオープニング、開会式に続き、「大会テーマ」「福祉」「工芸」「文化」「工業」など各団体の活動発表が行われ、多くの参加者が聞き入りました。
会館エントランスには糸紡ぎや機織りの実演や展示、また別館でも綿摘み、綿繰り、綿打ち、糸紡ぎ、機織りなどのワークショップコーナーや、綿のミニ講座、全国からの出展ブースなどが設営され、どの会場でも人があふれるほどの賑わいようでした。
当日の来場者は約1,000人。北は北海道から南は沖縄まで全国30都道府県から綿の栽培や製品作りに携わっている人や綿に関心のある人々が集まりました。それを迎えたボランティアも100人余り。それぞれの持ち場で来場者が楽しく綿との縁を紡げるようなアシストをしていました。
綿から種を取り出す綿繰りや、糸紡ぎに目を輝かせる子どもやその親、機織り体験を楽しむ人たちの姿が閉会まで随所でみられました。
「ペットボトルでの糸紡ぎを体験したのですが、綿がちゃんと糸になっていく、糸は切れてもまたスッとつながる不思議さに感動しました」、「ボランティアさんたちがみんな明るくて親切なので余計楽しく体験できました」との声が聞こえました。
16日はエクスカーション(体験型見学会)。梅田実行委員長が営むH.A.M.A.木綿庵の綿花圃場、天理大学附属天理図書館のほか、製綿や藍染の現場をバス移動で見学会が行われ、124人の参加がありました。
綿を通しての出会いとつながりに感謝し
これから結ばれていくものが楽しみ
「数か月前までまったく見知らぬ他人同士であった方々が、綿を通して出会い、苦労とともに喜びや楽しみを共有しつつ多くの方に綿の魅力を伝えたい、喜んでもらいたいと心を尽くしてくださったことが何よりうれしかったです」と梅田実行委員長。
「今回の大会はあくまで《たねをまく》こと。参加してくださった方々の中で、この大会がどのように実を結ぶのかが楽しみ」と話し、次は国立国産綿花研究所の設立に向けて、その土台作りに取り組んでいきたいそうです。
衣料自給率ほぼ0%(原料ベース)の現実を正しく認識し、持続可能な社会に向けて自分たちに何ができるかを子どもも大人も高齢者も一緒になって考える―綿を介した農業、教育、福祉、工芸、工業、商業、行政の連携モデルを模索しながら、国産綿花のサプライチェーンの確立に向けて考える―基幹施設を奈良県に、できれば天理市内に設置したいとの夢を熱く語ってくださいました。
H.A.M.A.木綿庵 (代表 梅田)
https://hamayuan.com/









