見たい!知りたい!『ならふしぎ』
奈良にまつわる不思議をお届け♪ 言い伝えや伝統、街かどのちょっとした疑問を解決したりしなかったり...。
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修験道の聖地・大峯山の麓、温泉街で知られる天川村洞川地区。同区内にある村立資料館には太平洋戦争末期、日本の本土空襲に使われた米軍の大型爆撃機「B-29」のエンジンが展示されています。

昭和20年(1945)6月1日、大阪へ2度目の大規模空襲を行った米軍は、その帰路で日本軍の反撃を受けます。この時、一機が山上ヶ岳の中腹に墜落。搭乗員11人のうち7人が死亡し、後に村民によって現地で弔われたといいます。
生存した4人は山上ヶ岳山頂の大峯山寺や山中で村民に発見され投降。川上村で投降したアルビン・ハート軍曹は村人から食事をもらい、医師からけがの手当ても受けたそうですが、4人は捕虜として連行され、後日大阪で全員処刑されました。


墜落した機体の一部は長年山中に放置されていましたが、平成18年(2006)に天川村が回収し、現在の展示に至ります。B-29は全長約30m、全幅約43mの巨大な爆撃機。さび付いたボロボロのエンジンですが、その大きさからも「超空の要塞」と呼ばれた同機の規模が計り知れます。
参考:POW研究会「本土空襲の墜落米軍機と捕虜飛行士」、NHK「戦跡ー薄れる記憶」

