〈生駒市〉現世の願いを叶える日本三大聖天『宝山寺』

商売繁盛、財運向上、良縁成就、家内安全…etc.
現世のあらゆる願いを叶える“生駒の聖天さん”

生駒山の中腹にある「宝山寺」は、役行者が開いた修行の場に由来する寺院で、当時は大聖無動寺(だいせいむどうじ)という名前の寺院でした。若き日の弘法大師空海もここで修行を積んだといわれています。

本堂と聖天堂の背後にそびえる岩山(朝日嶽)には役行者が修行の場とし、般若経を納めた岩窟「般若窟」があります。

奥に見える岩山(朝日嶽)に「般若窟」があり、窟の前には弥勒菩薩が祀られている

時代は下り、江戸時代の延宝6年(1678)。律僧・宝山湛海(ほうざんたんかい)が生駒山に入山し同寺を再興しますが、この時が宝山寺の実質的な開山ともいわれます。

村人や郡山藩家老らの援助を受けて延宝8年(1680)に五間四面の仮本堂を建立。貞享5年(1688)に現在の本堂に建て替えられました。

重層の護摩堂様式である本堂は同寺現存最古の建造物で、本尊は湛海作の不動明王像。上層軒下には東寺学頭大僧正賢賀の筆による「阿遮羅場(不動堂の意味)」の額が掛かります。

本堂の隣に祀られるのはヒンドゥー教のガネーシャと同じ起源を持つ仏教の守護神「大聖歓喜天(聖天)」。湛海律師が寺の鎮守、大願成就の守り神として祀ったことに始まり、その像は修法の本尊で秘仏となっています。

商売繁盛をはじめ、あらゆる現世利益に神徳があるとされ、大阪の商人をはじめ、多くの人々の信仰を集め「生駒聖天」「生駒の聖天さん」などの名で親しまれています。江戸時代から明治時代にかけての新築・移築によって複数の建物が一体化した八つ棟造の珍しい拝殿にも注目。

天部の神様はけがれを嫌うことから、鳥居をくぐり身を清めてから参拝をするのがしきたり
聖天堂前の宝袋をスリスリして財運UP!

毎月1日と16日にある縁日は特に参拝者で賑わい、毎月16日と5月1日~10日(大般若会式)の間は内陣参拝も可能です。1月1日~16日には初聖天として福財布の授与も。

福財布 1,000円

また明治17年(1884)に建てられた洋風の客殿(迎賓館)『獅子閣』(重文)も見どころ。明治8年(1875)の聖天堂再建に携わった宮大工・吉村松太郎が洋風建築を見よう見まねで建てた擬洋風建築です。

螺旋階段に、柱頭に施した菊の彫刻、扉や欄間にはめ込まれた色ガラスなど随所に洋風建築らしい要素が取り入れられており、全国に現存する擬洋風建築のなかでもその建築水準が高いとして国の重要文化財に指定されています。現在は春と秋の2回、内部の特別公開を行っています。

獅子閣
基本情報 Basic Information
生駒山 宝山寺/いこまさん ほうざんじ

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