〈奈良市〉旬の折衷美味を県内外の秘蔵酒と涼やかに飲み食らふ(折衷旬彩 香月)

仏伊和の技ありシェフの折衷旬彩料理を
入手難義な秘蔵酒もそろえて

近鉄奈良駅からアーケードの商店街を徒歩約10分。3つ目の下御門商店街に入ってすぐの左手に、菰樽と橙色と白の大きなタペストリーが目に入ったらそこが「折衷旬彩 香月」です。
フレンチ、イタリアン、和食店でのチーフシェフをこなしてきたオーナーシェフ氏が、腕を振るう美酒佳肴の店。地元奈良の有機野菜やジビエに、尾鷲や日本海の漁港直送の天然旬魚などを豪快あるいは繊細にはかります。
奈良っこ、香月

自家製ジビエやスモークメニューが評判。
料理は酒の、酒は料理の味を互いに引き立てるマリアージュ

ジビエにも定評があり、猪や鹿など、懇意な漁師さんから「いいのが穫れた」と連絡があれば、いくつもの調理法で「ジビエ食べ比べ」なんてメニューに仕立ててくれます。夏は漁師が絶賛する「夏鹿」もいただけます。
最近は、御所の無農薬栽培ソバ粉を使ったパンケーキやガレットなどのメニューにも凝り、お客様に人気です。
写真は、手前から『ニジマスのスモーク』、『ジビエのパテ&自家製ブリオッシュ』にこれは京丹後で上がった『岩牡蠣』。お酒は左から『純米生酒 大倉 夏うらら』(奈良)、『星降る夜のshirakiku』(白杉酒造/京丹後)、『純米酒おりがらみ KAWABU』(河武/三重)。いずれも夏に呑みたいキリッと旨く軽やかな純米生酒です。限定秘蔵酒だけに早い者勝ちかも(笑)。

自分の目と舌で確かめたものを提供
農家や蔵元へ足を運ぶのが日課

〆は奥吉野の極寒手延べ素麺「髙原乃糸」をあっさり目のだしでどうぞ。標高の高い高原地帯で厳冬期に家族で秘法製造している手延べ素麺で、極細なのに腰があり、練り込まれた吉野本葛でのど越しも最高です。生産量に限りがあり、なかなか入手も難しいのですが、香月の店主さんは直買い付けに通い、冬は「にゅう麺」で提供しています。
〝直買い付け〟と言えば、こちらの店主さん、お酒選びも実際に蔵元を訪ねますし、酒米の田植えや稲刈りの手伝いもします。お酒には滅法詳しくて、訊くとストップをかけるまでいくらでも話してくれますよ(笑)。
またソバ粉に関しても、御所で有機栽培ソバ粉を使った蕎麦屋を起業したいという人を応援するために、そのメニューの開発をしているそうです。
とにかく、店で使うものは、生産者と産物を自分の目と舌で確かめたものでないと人に勧められない方です。それが料理の味に表れ、地元奈良はもちろん、他府県の人たちまでに人気を博している理由なのでしょう。

ローストビーフや焼き菓子など、テイクアウト・お取り寄せメニューも充実中♪

2024年夏に食品製造業の免許も取得、年末年始のオードブルやデザートなどに重宝なローストビーフや鮮魚の味噌漬け、焼き菓子等のスイーツ類のテイクアウトやお取り寄せが可能になりました。楽チンして豪華に楽しみたいときに重宝です。
手前から黒毛和牛のローストビーフ、ニジマスのスモーク
先日、お味見させていただいた『新生姜のコンフィチュール入りパウンドケーキ』には、新生姜をキビ糖で炊いたコンフィチュールの刻んだものがアクセントに入っていました。グラニュー糖で炊いたものもあるのですが、驚きなのはそれらを3年~5年熟成させて角を取ってから使うという凝りよう! きりっとした風味が立つ口どけのよいケーキでした。
家庭で既成の西京漬を焼くとつい焦がしがちですが、香月さんの『西京漬』は、味噌を取って真空パックされており、そのまま焼けるという手間要らず。お値段も手ごろな時短美味です♪
自慢の『ローストビーフ』もぜひいただいてみてください。部位や時価により価格は変動しますが、お値打ちの味です。
パウンドケーキ
鰆の西京漬
基本情報 Basic Information
折衷旬彩 香月/かげつ
  • 住所: 奈良市下御門町28-1
  • 営業時間: 平日11:30〜14:00(LO)※土日祝〜15:00(LO)、17:30〜22:00(最終入店)、22:30(LO)
  • 定休日: 不定休
  • 駐車場: 近隣に有料パーキングあり
  • 席数: カウンター7席、テーブル20席、半個室3(4〜10人)、奥の間カウンター12席 ※6~10人の宴に最適、20~25人で貸切OK、奥の間は8人〜
  • TEL: 0742-22-1018(FAX共通)
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