2021.4.22 鮎 Narakkoスタッフおすすめのお散歩コースをご紹介♪ 商都・大和高田のまちには、かつて“奈良の心斎橋”と謳われた商店街がある。時代とともに姿かたちを変えてきたが、現在にもかつての名残が。当時を暮らした人々の思い出とともに商店街を歩いてみよう。 ルートをPDFで見る 【歩行距離:約4km】 【目次】 ❶ 天神社 ❷ 佛願寺 ❸ 馬冷池公園(ばれいいけこうえん) ❹ 天神橋 ★ 天神橋筋商店街/天神橋西商店街 ❺ 昆布寅本店 昆布寅西井(こぶとらにしい) ➏ ウエダベーカリー本店 ➐ 弁慶の七つ石 ➑ 高田川 ➒ エンジェ patisserie Kawamoto START 近鉄大和高田駅 ❶ 天神社 第10代崇神天皇の御代の鎮座とされる。現存する本殿の最も古い棟札は貞応元年(1222)のもの。令和4年(2022)にはご造営800年を迎える。 鳥居の扁額は旧日本海軍・東郷平八郎の揮毫 御朱印。金字が綺麗! スポット情報を見る ❷ 佛願寺 江戸時代の正徳5年(1715)に成立した浄土真宗本願寺派の寺院。年に2回、上方講談の旭堂南左衛門一門による「佛願寺講談会」が開催される。 ❸ 馬冷池公園 戦国時代、戦のときに馬の体を洗ったり、体温を冷やしたりしたことから名付けられた古池。さざんかホール建設に伴い、大幅に埋め立てられ、現在ではかつての3割ほどの大きさになっている。 現在の馬冷池とさざんかホール 馬冷池公園での催事の様子(昭和53年、大和高田市提供) 駄菓子屋や猿山もあった(昭和34年、大和高田市提供) 馬冷池には「浮御堂」と呼ばれる鐘楼があった。小さな梵鐘は近隣の大日本紡績(現・ユニチカ)の工場で亡くなった労働者への鎮魂の鐘。昭和52年(1977)の工場閉鎖と共に馬冷池公園に移され、平成6年(1994)には六反田池公園(同市日之出東本町)に移転。 現在の浮御堂 移転前の浮御堂(昭和53年、大和高田市提供) ❹ 天神橋 現在の中央道路(県道5号)は、もともと高田川が流れていた場所。川が付け替えられた後も、道路が整備される昭和26年頃までは石橋が架けられていた。現在は橋の一部が歩道の脇に残るのみ。 旧天神橋(昭和6年頃、大和高田市提供) 現在残されている、欄干の一部 ★ 天神橋筋商店街/天神橋西商店街 天神社から西側へ延びる、およそ300mの商店街。中央道路を境に天神橋筋商店街(東)と天神橋西商店街(西)に分かれる。全盛期には「北の東向(奈良市)、南の天神橋」といわれ、商都・高田の象徴であった。その盛況ぶりは“奈良の心斎橋”と称されるほどだった。 天神橋交差点(昭和42年、大和高田市提供) 現在のJR高田駅の東側一帯には大日本紡績株式会社(ユニチカ)の大規模工場があった。昭和52年(1977)の工場閉鎖まで全国各地から労働者が集まり、商店街は大変にぎわったという ユニチカ高田工場(昭和52年、大和高田市提供) 現在は複合型商業施設「tonarie」がある ❺ 昆布寅本店 昆布寅西井 明治27年頃創業の老舗昆布専門店。天然昆布の素材を生かした製品作りを信念に120年以上変わらぬ味を守り続けている。 上とろろ昆布 660円 スポット情報を見る ➏ ウエダベーカリー本店 令和3年(2020)で創業95周年を迎えた老舗のパン屋さん。学校給食のパンも製造しており、地元・大和高田ではおなじみ。店内には焼き立てパンのほか、サンドウィッチや洋菓子も並ぶ。 発売から45年のロングセラー商品で、チョコ好きにはたまらない「チョコレア」や、市制50周年を記念して作られた桜餅入りのあんぱん「たかだあんぱん」が人気。 チョコレア 160円 たかだあんぱん 160円 スポット情報を見る ➐ 弁慶の七つ石 大中春日神社の境内にある七つの大きな石。源義経が兄の頼朝に追われた際に、この神社の境内の石に腰かけて一休みしたと伝わる。 ❽ 高田川 高田のまちを蛇行し、たびたび氾濫していた旧高田川に代わり、昭和7年(1932)から11年かけて現在位置に付け替えられた。昭和23年(1948)には堤防に桜が植樹され、「高田千本桜」の名で現在も親しまれている。 観桜期の高田川 スポット情報を見る ➒ エンジェ patisserie Kawamoto 創業40年以上、地元に愛され続ける洋菓子店。パティシエの河本満夫さんは、ジャパンケーキショーで全国優勝した腕前の持ち主。 チーズケーキ 313円 6月頃~ 桃のケーキ 659円 スポット情報を見る GOAL 近鉄大和高田駅 【旅を終えて】 かつてのにぎわいはありませんでしたが、“奈良の心斎橋”と謳われた頃を彷彿とさせる、人間味あふれるまちでした。昔の思い出話をしてくださった方々のきらきらした表情は、まるで子どもの頃に戻ったかのようでした。