飯豊青皇女は5世紀末の皇族。第17代履中天皇の王女、あるいは市辺押磐王子(履中の子)の王女と伝わり、葛城氏の血を引いています。「飯豊」には「フクロウ」の意味があります。
皇女は第22代清寧天皇の崩御後、第23代顕宗天皇が即位までの間、政治を執ったとされていて『扶桑略記※』には「飯豊天皇」とも書かれています。しかし、臨時の執政だったと認識され現在では不即位天皇の扱いとなっています。もし即位が認められれば推古天皇よりも約100年も前に誕生した日本最初の女帝となることから「幻の女帝」と呼ばれています。
※平安末期、天台僧・皇円が神武天皇~堀河天皇までの事柄を編年体で記した歴史書。全30巻と伝わり、うち16巻と抄本が現存している。