メディカル最前線vol.83 慢性腎臓病(CKD)の早期発見と包括的アプローチで健康寿命延伸

腎不全外来(腎臓内科)

現代の〝国民病〟と言われる慢性腎臓病(CKD)。自覚症状が現れにくく、進行すると合併症を招くなど命にかかわる怖い病気だ。専門医を中心に多職種連携のケアチームが一丸となって患者のサポートに当たっている西の京病院理事長兼透析センター長の吉岡伸夫医師に話を伺った。

名誉院長・患者支援センター長兼務
吉岡 伸夫 医師/YOSHIOKA NOBUO

先生の健康法
ジムに週2回、有酸素運動とマシンで筋肉運動。タンパク質をはじめバランスのいい食事に努める。

腎臓の働きとCKD

腎臓は血液をろ過して体内の余分な水分や老廃物を外に出す大切な働きをしており、その機能が弱まる(慢性腎臓病/CKD)と、高血圧、心不全、貧血、骨がもろくなるなど、多くの生命維持機能に影響が及ぶ。CKDは、日本人成人の5人に1人(推計2千万人)が罹患しているという。
CKDが進行すると、腎代替療法(透析・腎移植)が必要な「末期腎不全」になるという。

腎不全 

eGFR44以下は要注意!
専門医を受診し、早期対策を
健康診断の血液検査で「eGFR値」という項目があるが、それが腎臓のろ過機能を示す。毎分60㎖がボーダーラインで、60を切ると徐々にステージが進むので、悪化を防ぐ何らかの治療が必要となる。
45を切ると 中等度以上の腎機能障害、15以下になると、病状やライフスタイルに合わせた腎代替療法(透析・腎移植) が選択される「末期腎不全」に。
腎臓は再生不可の臓器なので、一旦故障すると改善することはなく、一生その治療が続くことになる。
ちなみに、透析は1回4時間を週3回、生涯続けることに。
かかりつけ医からこう言われたらご相談を

腎臓病治療に新薬

予防は生活習慣の見直し
「怖いCKDですが、早期発見すれば、近年は重症化を予防するためのいろいろな薬が開発されているので、がんなどと同様に早期発見・早期治療が大切です」と、吉岡先生。
そして「腎臓を長持ちさせるには糖尿病の予防血圧管理が大切です。食事内容と量、適度な運動の継続を」と話す。

トータルヘルスケアが院内で完結!

他科連携・多職種チームでサポート
先進医療から介護、在宅医療まで「トータルヘルスケア」を実践する西の京病院。慢性維持透析においては、早くから高性能で副作用の少ないHDF(血液ろ過透析)を全施設オンラインで導入、重症入院患者の急性浄化やCHDF(持続的血液ろ過透析)に24時間対応。
また透析サルコペニア(筋肉量・筋力低下)対策として多職種が連携したサポートチームを立ち上げ、栄養サポートチーム、フットケアチームと協働し、スタッフ総力体制で透析患者の健康寿命延伸をサポートする。
院内シャント体制も充実
桃仁会病院とも連携

中村 雄一 医師/NAKAMURA YUICHI

先生の健康法
「シャントもお任せを!」
新大宮からですが、全天候、自転車通勤。たまにジョギングも。

庄司 康人 医師/SHOJI YASUTO

先生の健康法
「奈良医大からの常勤派遣です」
内容重視の食事と腹八分目を心がけています。

樋口 敦 医師/HIGUCHI ATSUSHI

先生の健康法
できるだけよく寝て、食事(バランス・ 塩分)にも気をつけ、軽運動(ジョギ ング)を心がけています。

西の京病院 透析センター

162床 約400人の患者は奈良県最大級!

※希望者には送迎サービスあり

腎不全外来 ー完全予約制ー

火・木・金曜午前、水曜午後
問・予約:患者支援センター
月曜~金曜 /8:30~16:30
土曜 /8:30~12:00
■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 奈良市六条町102-1/ https://www.nishinokyo.or.jp/
基本情報 Basic Information
メディカルプラザ薬師西の京
  • 住所: 奈良市七条町95−1 メディカルプラザ 薬師西の京
  • アクセス: 近鉄橿原線「西ノ京」駅下車、徒歩約10分 / タクシー4分
    ●バス停「西の京病院」下車すぐ
  • 駐車場: あり(60台完備)
  • TEL: 0742-35-1122
  • HP: https://www.nishinokyo.or.jp/plaza/
<送迎バスあり>※詳しくはお問い合わせください。

●近鉄大和西大寺駅中央改札口より南側ロータリー
●奈良交通西ノ京駅バス停
●JR郡山駅西口 ●近鉄郡山 アスモ前
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