若いお坊さんへのリレーインタビュー
「Boze数珠つなぎ」
#265
Profile
信貴山真言宗大本山 玉蔵院
宗圓 虎星 師
そうえん こうせい
2001年高知県南国市生まれ。24歳。
高校卒業後、高野山専修学院へ。
2021年玉蔵院に入山。
実家は信貴山高知別院龍王院・宗圓寺。
高校卒業後、高野山専修学院へ。
2021年玉蔵院に入山。
実家は信貴山高知別院龍王院・宗圓寺。
どんな時も幸せを感じます
寅がシンボルの信貴山・玉蔵院に勤めております。寅年・寅の日・寅の刻に聖徳太子が毘沙門天様からお告げをいただき戦勝されたということで、寅が守り神になっています。
玉蔵院には宿坊があり、宿泊客の8割が外国人なので英語が上達しました。浴油祈祷や大般若祈祷など仏教の法要や作法などはもちろん社会勉強や英語の勉強もできて有り難いです。ヨーロッパの方が多いですね。毎朝護摩を焚いているのですが、早朝でも外国の皆様は喜んで参加されています。
高知にある実家のお寺が信貴山朝護孫子寺の末寺で、そんなご縁からか私の名前に「虎」が入ったようです。皆さんに「阪神タイガースファンですか」と聞かれるのですが、大きな声では言えませんが野球には興味がないのです。
高知のお寺は仏縁があって昭和58年に創建されました。祈願寺として始まりまして、今は「縁切寺」として知られています。病気や事故なども含めて悪い縁を断ち切るお寺です。
お寺を継ぐことは祖父が決めました。兄と私のうち、祖父から「あんたなら継げる」と言われてすんなり進路を決めました。元々祖父や父を見ていて、人のお役に立てることが素晴らしいなと感じていました。
高校を卒業して高野山専修学院に入り、1年修行の後に信貴山に来させていただきました。父も私と同じく専修学院を出ていて、父からいかに厳しくてつらいかを聞いていたので、外界と離れて仏様と真剣に対峙することができるのは、私にとっては理想の環境だと思いました。
真冬はマイナス13度ぐらいの時もありますが、暖房はありません。でも寒いだけなので我慢すればいいし、快適過ぎて生ぬるい。それで毎朝自分で水行をしていました。ただ“父を超えてやる”と思っていましたがそれは無理でしたね。
私は楽観的で何でもポジティブに捉
える人間です。苦しい時ほど燃えます。全部が楽しいです。例えば専修学院で先生に厳しく言われたり、誰かがミスした罰として皆と一緒に写経をさせられたりするのすら、楽しかったです。そんな体験は他ではできないし、いろんなことがあった方が後で語れるじゃないですか。
これだけ楽観的でも、人生には波があるからどん底が来るのかなと思うけれど、来たら来たでその瞬間を楽しもう、どんとこいという気持ちです。
ずーっと明るかったら面白くないです。苦しい時があるから楽しみが感じられる。両方が必要ですよね。すると何でも幸せに感じられます。
私は自分が大好きです。困った時でも前向きになれる自分が、自分の強い味方です。どん底から駆け上がろうとするのが一番好きです。逆にぬるい環境でというのは好きじゃないです。私が(兄に比べて)そんな性格だからお寺を任されたのかもしれません。
こういう考え方をするようになった一つのきっかけが小学生の頃の経験です。家族で旅行した時、トイレに自分のカバンを置き忘れてしまったのです。結局そのカバンは戻らずで、祖父からもらったお年玉など大事なものが入っていてひどくショックを受けました。すると父から「そのおこづかいで幸せになった人がおるから良かったじゃん」と言われました。そこで「あーそうか。なくしたのに他人のためになるんや」と気づきました。僕はゲームが大好きだったんですが、「あのお金でゲーム機を買ってその人が幸せになるんやったらいいか」と子ども心に思いました。
うちは家族皆がそういう考え方をしていました。小さい頃から仏壇やお堂の前で毎日般若心経をあげて「今日もよろしくお願いします」と挨拶をし、お堂を閉めるときは「今日もありがとうございました」と言って閉める習慣がついていました。仏様が常に守ってくださるという安心感が心の中に早くから根付いたのだと思います。
お釈迦様の教えに「中道」という言葉があります。極端な考え方や見方をしないことです。例えばすごく欲しいものがあっても、なかったら死ぬわけじゃない。常識に囚われない考え方が必要かなと。またポジティブだと運も引き寄せられます。自分が幸せで、周りも幸せになればうれしいです。
玉蔵院 年中行事
〈令和8年2月~5月主要行事〉
- 2月1日~28日|中秘仏御開帳
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2月3日|星祭大法要(鬼追式)
午後2時~護摩祈祷、午後5時~豆まき - 2月9日・21日|三寅参りご授戒会(午前4時~、午後1時~)
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2月21日・22日|信貴山寅まつり
11時~張子の大寅お練り行列 - 3月5日|一粒万倍日・天赦日・寅日
- 3月17日~23日|春季彼岸会(午後2時~)
- 4月8日|花まつり
- 5月3日|空鉢護法大祭(午前11時~)
- 5月5日|出世毘沙門天王大祭(午前11時~)
- 5月7日~13日|春季浴油祈祷(午前3時30分~)
聞き手:朝廣佳子

