第22回山寺おしょうのお悩み相談|この先のことを考えるといろいろと不安が募ります。

【お悩み】この先のことを考えるといろいろと不安が募ります。

72歳の主婦です。主人と2人年金生活をしていますが、この先のことを考えるといろいろと不安が募ります。
子どもたちは海外で暮らしていて、帰ってきそうにもないので、いないのと一緒です。一人になったらどうしよう、2人でもこの先お互いの介護ができなくなったらどうしよう、そのための備えはどうしたらいいんだろうと、欝々うつうつと悩む日が多いです。何歳まで生きられるかわからないし、お金がいくら必要なのかも心配です。積極的な性格ではないので、他の人にも聞けません。どう生きれば楽しく生きられるのでしょうか。
(天理市、M)

不安を細分化して
不安に向き合って解決します。

若い時は考えもしないことですね。子どもたちに話しても理解できないでしょう。といって自分より年上の方に相談もできない、友達もいない時はどうすればいいか。また元気で楽しんでいる人にはわかってもらえないかもしれません。
「如実知自心にょじつちじしん」と言って、仏教では自分を知ることが重要であるといいます。そして不安を細分化して不安に向き合って解決します。
72年間生きてきた経験すべてをもとに、頭の中の阿頼耶識あらやしきというところに老後の介護は大変、お金がないと困る、一人になると寂しいといった “不安の種”として蓄積されています。
そしてその外側にある末那識まなしきというところに、自己執着、自己防衛の心があり、自分だけは困りたくない、自分の思い通りの未来であってほしい、自分が傷つきたくないなどと考えるところがあります。ゆえに72歳になり子どもは頼れない。お金が少ないという現実が、末那識にある将来の自分を脅かすのではないかという自己防衛の心を動かし、阿頼耶識の老老介護、老後崩壊、孤立という不安の種を開花させて、未来の現実として不安を勝手に作り出しているのです。
改善策はまずは周りの独居老人はどう生活しているのか知ることです。またコンパクトな暮らしをすることです。物を減らす、支出を減らす、という簡単なことを考えてください。
そして、毎日拭き掃除をしてください。物が減ると拭くところが増えます。拭くところが増えると心が満たされていきます。不思議ですよ! 仏教では下座行げざぎょうといいます。物が多いとなくなる不安が増えていきます。物が少ないとなくなる不安が消えていきます。
子どもに頼れない不安を消すには、毎日散歩することです。ゆっくりと深呼吸して歩くことが心の瞑想になり、足の衰えを予防します。健康は足から。元気でいること、それは子どもに頼らないということです。
そして一人にならないということも重要です。社会貢献をお勧めします。地域の清掃、手紙を書く、お寺にお参りするなど。お寺の行事に参加すると、良いコミュニケーションがとれ、いろんな人の話を聞けます。このように一つひとつ不安を分けて考える癖をつけてください。そうすると不安は生きる課題を見つける心の働きだとわかります。不安がある間はまだまだ元気で生きてと脳が発信しているのです。
先日お彼岸のお参りに行くとそこの奥様が「今仕事の途中抜けてお参りに来たの」と。歳を尋ねると88歳。まだ現役で介護士の仕事をしているそうです。88歳で元気に仕事をされています。不安を感じることなく、まだまだできると自信を持って毎日を一歩一歩生活しましょう!
回答者

大塚 知明 師

真言宗醍醐派妙法寺(大師山寺)住職
当山派修験大先達
ならどっとFM78.4MHzにて「山寺おしょうのラジオ法話」を放送中!
戻る