認知症、専門職とのつながりは初期に

 認知症は、特別な病気ではなく誰もがかかるもの。地域の人にきちんと話して理解を求めることで、ごみ出しルールや回覧板などトラブルを回避できることもあります。

 物忘れには、①老化に伴うもの ②老人性うつ ③認知症 があり、①は、年相応の正常範囲です。間違えやすいのは、②の老人性うつで、物忘れや失敗に対する自覚があり、できていたことができなくなることに対して自分を責め悲観的になる症状。認知症は忘れたことなどに自覚がなく、周囲の人の目や反応でそれとなく感じます。

 短期の記憶があるかどうかとか、日常生活での困り事がないかどうかが判断の基準になり、家族が調べる方法もあります。 ただ、①も5年間、何の対処もしない場合、約半数が認知症に移行するというデータも。運動やコミュニケーション(人と関わること)、食事など、規則的な生活が大切です。

 認知症は、症状が重度になってからではなく、症状が出始めたときに、地域の介護事業所や包括支援センターなどを通じて専門職につながることが大切です。家族にしか(感情が入るからこそ)できないこと、専門職にしか(感情が入らないからこそ)できないことがあるので、早めに関わることで症状の改善や進行を遅らせることも可能です。科学的根拠に基づいたチームケアを目指して、日々奮闘中です。(有限会社 ナイスケアサポート/代表 井尻祥子さん(認知症看護認定看護師))

地域の人も一緒に 絵手紙を手習い

地域に開かれ、垣根の低い場所。 社会性を大事にした温かいケア  

介護する側・受ける側ではなく“人と人”としての関係を重んじ、利用者の尊厳を配慮するケアを徹底。適切な「自立支援」サポートと地域社会との交流など、社会性を保てる居心地よい環境を目指す。

見学随時・試食は要予約

「自分の作品を見てニコッとしていただくのが目的です。リハビリを兼ねて無心で楽しんでもらえれば。私自身の修業にもなっているんですよ」

市村公子さん
(3~4年前まで同施設のケアマネ。定年後は、得意分野を活かしたボランティアをと苔玉づくりや絵手紙の指導。)

桜の樹

有限会社 ナイスケアサポート

*yomiっこ2019年9月号掲載の情報です