本殿を持たず、巨岩そのものを神体として崇める古代祭祀の形態を残す神社。『延喜式神名帳』では小社に列していますが、創祀年代は分かっていません。社伝によると「天岩戸伝説」において、手力男命が天岩戸を開いた際にその扉石が飛来したものを祀ったことが始まりと言われています。
鎮座地一帯には多くの巨石が分布し、それぞれに神が宿るとしています。そのうち4つの巨石にしめ縄を張りご神体としています。4つの巨石は前立磐・後立磐・前伏磐・きんちゃく岩の名があり、それぞれ豊磐牖命(とよまどいわのみこと)・櫛磐牖命(くしいわまどのみこと)・天岩戸別命(あまのいわとわけのみこと)・天照大姫命(天照大神のこと)の神体岩とされています。このうち前立磐が天岩戸の扉石とされ、「神戸岩」とも称されています。