〈御所市〉たった“一言”なら、あらゆる願いを叶える『葛城一言主神社』 2024.12.12 鮎 悪事も一言、善事も一言。 一言の願いであれば何ごとでも聞き届ける神「一言主大神」を祀り『古事記』『日本書紀』にも逸話が残る葛城地域屈指の古社。一言主神を祀る神社の総本宮で「いちごんさん」の名前で親しまれ、多くの人々の信仰を集めます。 一言主大神は、第21代雄略天皇が葛城山で狩りをした時に天皇と同じ姿で顕現されました。雄略天皇はそれが大神であることを知り、大御刀・弓矢・百官どもの衣服を奉献したと伝えられています。天皇はこの一言主大神を深く崇敬され、大いに御神徳を得たといいます。 この時に大神は自ら「吾は悪事も一言、善事も一言、言離の神、葛城一言主の大神なり」と、その神としての神力を示したと『古事記』は伝えており、この故事から“いちごんさん”としての信仰を今なお集めているそう。 雄略天皇像 拝殿向かって左手にある銀杏の巨木は樹齢1200年と推定される老大木。「乳銀杏」や「宿り木」とも呼ばれ、この木に祈願すると子どもが授かり、お乳がよく出るのだとか。 このほか、神武天皇が葛城の地で退治したという土蜘蛛(土着民)の遺骸を埋めたという「蜘蛛塚」や災いをもたらす黒蛇を役行者が調伏し、その上に亀の形をした石を置いたという「亀石」など神話・伝承が残る神社や石、樹木が数多くあります。