> 特集 > 文化伝統 > 奈良観光で必ず立ち寄っておきたい!とっておき情報満載の“高札場”とは?

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南都・奈良のメインストリート三条通を東に進むと興福寺の少し手前に大きな木製の看板があるのをご存じでしょうか?

これは“高札場(こうさつば)”と言います。
高札場は高札という木の札を掲示板があった場所で、奈良時代末期から重要な街道沿いなどに置かれました。民衆に情報を素早く伝える目的があり、高札には幕府や領主が出した法令や掟が書かれています。
江戸時代には全国各地に多くの高札場が設けられましたが、明治時代に政治体制が変わるとともに撤去されました。

現在は復元されたものがいくつか残されており、三条通沿いにある橋本町の御高札場も昭和59年に復元されたもの。奈良では他に奈良豆比古神社(奈良市)と御所まち(御所市)に復元高札場があります。

では現在の高札にはどんなことが書いてあるのでしょう?
橋本町の御高札場には大小9枚の高札が掲示されています。

■昔の法令の復元

中央の上にある大きな札2枚と向かって右の小さな札(上)は江戸時代の天和2年(1682)5月に出された高札の復元になります。

大きい札の一枚目には「忠孝を励まし、夫婦兄弟諸親類むつまじく、召仕の者に至るまであわれみをいうべし。もし不忠不孝の者あらば重罪となすべき事」というような孝行や、盗みやけんかの禁止など、守るべき道徳が書かれています。

その下の札には「御朱印伝馬人足の員数 御書付之外に多く出すべからざる事」「御伝馬ならびに駄賃の荷物は、1駄40貫目、人足荷物は1人5貫目に限るべき事」といった、伝馬や人足(荷物運びをする人や馬)を使う際のルールが書かれています。荷物の重さ制限や距離別の料金も細かく分かれていて、現代の宅配便とあまり変わらないことに驚き!

そして小さな札には「毒薬ならびににせ薬種売買の儀、堅く禁制なり」「諸職人申合せ作料 手間賃など高値にいたすべからず。総じて誓約をなし、徒党を結ぶ儀曲事たるべき事」と商人に対しての禁止事項が書かれています。違法薬物や価格カルテルのような動きがこの時からあったんですね…

■奈良に観光に来られた方への高札も

多くの復元高札は高札ごと復元しているのですが、橋本町は観光客に向けて新しい高札を出しています。

まずは真ん中上から3つめの札。
道行目安書といって、寺社や博物館などへの方角と距離が書かれています。ぱっと見て大体の位置がわかるのがいいですね!
距離が時間などではなく歩数で書かれているアバウトな感じも面白い。

右側の札(下)には奈良公園やならまち周辺で行われる年間行事が書かれています。
寺社の法会・祭礼から、なら燈花会などのイベント、商店街のお祭りの例年の日程が記されているので「次いつ奈良に来ようかな」と考えている人は予定が立てやすいですね!

左側の札(上)は要注目! 
奈良を訪れた人への心得「奈良行儀」です。寺社仏閣に落書きをしない、ごみを捨てない、鹿をいじめないというように至極当然のルールが書かれているのですが、最近はちょっとゴミが増えてきているような…。奈良行儀を守って、みんなが奈良を楽しめるように心がけましょう♪

■申し送りは人だけにとどまらず…

掲げられる高札には1枚だけ人以外に向けたものがあります。それが左側の下の札。
「奈良公園をすみかとせし鹿に申し渡す」
そう、奈良公園のアイドル・鹿たちへの申し送り事項です。特に左から2つ目の「その角その足を振り上げ傷つけし事 無かりしよう」というところ、筆者も幼少期に鹿にふっ飛ばされ記憶があるので守っていただきたいと思います。

番外編:見つけたら幸運!? 高札場のもう一つの楽しみ方

高札場は高札を読むだけでも楽しいのですが、隠れたネコスポットでもあります。3匹くらいのかわいいネコちゃんが時たまウロウロしていたり、高札の下でのんびりと休んでいたりするので出会えた人は超ラッキー!

いかがでしたか? 奈良観光の定番ルートでも「あれはなんだろう?」とは思うけれども、なかなか立ち止まっては見ない場所だったのではないでしょうか。よく目にしているけれど気に留めていないものってまだまだたくさんあると思います。奈良にはそれが1300年分あるんですから、何回も訪れて何回も発見してもらえたら嬉しいです♪

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