令和5年度 柳沢文庫前期企画展1 館蔵品選①
「柳沢文庫にみる柳沢家の源流」

1.主 催
公益財団法人 郡山城史跡・柳沢文庫保存会(後援:大和郡山市教育委員会)
〒639-1011 奈良県大和郡山市城内町2-18 電話(FAX):0743-58-2171
担当者:学芸員 成富なつみ

2.会 期

2023年8月5日(土)~2023年9月10日(日)
休館日:毎週月・第4火曜日
夏季休日8月13日(日)~18日(金)※祝日は開館

3.会 場

 柳沢文庫展示室

4.入館料

一般300円(200円)、学生200円(100円)
※(  )は20名以上の団体料金。中学生以下の方、障がい者手帳をお持ちの方は無料。

5.企画趣旨

 柳沢文庫は、旧大名家である柳澤家に伝来した古文書、古典籍、絵画を中心とする近世史資料を研究、公開するための文書史料館及び地方誌専門図書館として活動しています。享保9年(1724)に柳澤家第2代吉里(1687‐1745)が甲斐(現山梨県)からの転封を命じられ、郡山城主となりました。以降、明治維新まで柳澤家は代々郡山藩を治めました。

 来年は吉里の郡山入城300年という柳澤家、および、郡山城にとって節目の年にあたります。そこで、柳澤家に伝来した資料を概観し、柳澤家の歴史を学ぶ契機とします。

6.展示の構成

①柳澤家について  ②将軍からの礼状  
③柳澤家の領地  ④柳澤家の軍制
⑤柳澤家の家臣団  ⑥殿さまの学問   
⑦柳澤家の文芸  ⑧家臣による記録

7.おもな展示品
  • ●清和源氏武田流甲斐国主系図:柳澤家のルーツについて初代吉保が記した系図。末代まで書き継がれた。 【解説】柳澤家初代の柳澤吉保は、第5代将軍徳川綱吉の側用人をつとめ、綱吉からの絶大な信頼を得て甲斐一円を支配する国持大名にまで出世しました。吉保は自身のルーツに誇りを持ち、その系譜の考証、整理に努めました。この吉保の命で編纂された系図が「清和源氏武田流甲斐国主系図」です。清和天皇を祖とする清和源氏のうち、源義光の子孫が甲斐に土着して甲斐源氏と呼ばれるようになりました。その嫡流は武田姓を称し、甲斐源氏の惣領として勢力を拡大します。本系図によれば、柳澤家は青木家、一条家を通じて武田家に連なるとされ、武田の末裔として「甲斐国主」に任じられた吉宗の正当性を表明したものといえます。
  • ●徳川綱吉領知宛行朱印状:「真忠の勤」が評価され、特別に先祖の旧地である甲斐国の領有が認められたことを証明する文書。 【解説】側用人として仕える吉保の日頃の奉公に報いるため、綱吉は宝永2年(1705)4月29日、吉保に先祖の領地として山梨、八代、巨摩の三郡の支配を任せました。さらに翌年には幕府領であった都留郡を預け、柳澤家が甲斐一国を支配する体制が整いました。江戸時代に入ってから甲斐を一円的に支配した大名は存在せず、吉保の甲斐拝領は武田信玄・勝頼以来、約100年ぶりに甲斐国主が誕生する極めて異例な出来事でした。
  • ●過則勿憚改:「過てば則ち改むるに憚ること勿かれ」と読む。元禄元年(1688)6月3日に柳澤吉保が徳川綱吉から拝領した、学問の指標を記した書。(由来:『論語・学而篇』「子曰、君子不重則不威。學則不固。主忠信、無友不如己者。過則勿憚改。」より) 【解説】これほどの信頼関係を築いていた綱吉と吉保の間には主従のほかに、学問における師弟関係も結んでいました。天和元年(1681)に吉保は綱吉の学問の一番弟子となります。この時、綱吉が示した学問の指標が「過則勿憚改(過てば則ち改むるに憚ること勿かれ)」です。元禄元年(1688)6月3日、吉保は改めて綱吉が書に認めたこの指標を拝領しています。
  • ●保山公御詠歌御手鑑:吉保の自詠自筆77首を含む和歌作品集。 【解説】吉保が多くの学者を召し抱えたことから、柳澤家では好学の気運が醸成されました。柳沢文庫には歴代当主の作品が多数伝来しています。今回の展示では、初代吉保の自詠自筆77首を含む「保山公御詠歌御手鑑」と2代吉里の自詠自筆を含む「郡山八景和歌」を出品します。
イベント概要 Event Summary
開催日
2023年8月5日(土)〜2023年9月10日(日)
開催場所
柳沢文庫(大和郡山市)
料金
一般 300円、学生 200円
お問合せ
公益財団法人 郡山城史跡・柳沢文庫保存会(0743-58-2171)までお問い合わせください
柳沢文庫/やなぎさわぶんこ
  • 住所: 大和郡山市城内町2-18
  • 開館時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
  • 休館日: 月曜・第4火曜(祝日の場合は開館)
  • 入館料: 一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料
  • TEL: 0743-58-2171
  • HP: http://www.mahoroba.ne.jp/~yngbunko/top.html

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