それで今回は在原寺のあった場所、現在の「在原神社」に行ってきました。(元は在原寺と業平神社がありましたが、明治初期の廃仏毀釈によって寺は廃寺になり、業平神社は在原神社になりました)。能の『井筒』のように荒れ放題とは言いませんが、長い間お掃除をしていないのがちょっと残念でした。案内板には「謡曲の舞台となっている大和国石上の在原寺が当所」と書かれていて、そこにはちゃんと井筒の井戸もあります。でも「井筒」と書いた立て札が折れ、井戸の周りは蜘蛛の巣だらけ。他に「業平河内通いの恋の道 出発の地」という立て札もあり、この「在原」から「河内髙安」までの地名が書いてあって、ここが業平道の出発点であることを示しています。でもこれも破損がはなはだしく、案内板の下に「文化財を守りませう」と書かれた赤文字がさびしく映りました。