【お悩み】墓じまいしようかと迷っています
うちの実家は福島県です。
両親はもう亡くなり、その福島の墓に入っているのですが、これが村の中のお墓で、結構山の上にあります。今までもなかなか行けなくて、私たちももう70歳になり、この先福島までお墓参りに行くのは非常に難しいです。一人娘はカナダに移住していて40歳の独身。もう日本に戻ってこないかもしれず、「処分していいよ」と言います。
最近目につくのが集合して入る永代供養墓で、お寺さんがずっと供養してくださるし、墓じまいしようかと迷っています。
両親はもう亡くなり、その福島の墓に入っているのですが、これが村の中のお墓で、結構山の上にあります。今までもなかなか行けなくて、私たちももう70歳になり、この先福島までお墓参りに行くのは非常に難しいです。一人娘はカナダに移住していて40歳の独身。もう日本に戻ってこないかもしれず、「処分していいよ」と言います。
最近目につくのが集合して入る永代供養墓で、お寺さんがずっと供養してくださるし、墓じまいしようかと迷っています。
(奈良市 M・K)

なくしてはいけない習慣や文化が
この日本にはあると思います。
先日ある信者さんが、娘の目が見えなくなってきてどうしたものか一度仏さんに聞いてほしいと来られました。拝んでみるとご先祖さんの障りを感じました。何かご先祖さんに失礼なことをしなかったかと尋ねたら、先日墓じまいをしましたと言われました。子どもに「坂の上にあるお墓なんてあまりお参りしないからちゃんとしといてね」と言われたらしいです。
納骨堂で永代供養してもらえばいいと墓じまいをされたとのこと。それもお寺さんに拝んでもらわずに単に石屋さんを呼んで墓を処分したというのです。
それが原因だなとすぐに思いました。これから1週間、塩を持ってご先祖さんと土地の神様に「墓じまいをしてすみませんでした」と謝りながら塩をまいてお清めに行ってくださいと伝えました。
数週間経ち、「お陰で目が見えるようになりました」とその方が娘さんを連れて来られました。
お参りは大変だからと墓じまいするのは、自分の大切にしてきたものを踏みにじられたとご先祖様が怒ったのだと思います。土地の神様もせっかく大切に使ってくれていたのに放ったらかしにするどころか、なかったように扱われたことが悲しかったのだと思います。
最近は流行のように煩わしいものを処分する風潮があります。ご先祖様が大切にしていた山や土地、お墓などたくさんの人の気持ちや命をかけて守ってきたものをいとも簡単に、煩わしいから、面倒だからと処分することが本当に良いことなのでしょうか?
私たちの身体はご先祖様からいただいたものです。歩くのが面倒くさいと車ばかり乗っていたら、きっと歩けなくなるでしょう。考えるのが面倒と頭を使わなくなると、きっと認知症になるでしょう。ご先祖様のことも煩わしいと思うと、子や孫たちが引きこもりや不登校になり、子どもや孫たちが煩わしい存在になるのです。
自分たちのことだけを考えたり、子どもや孫が面倒くさがったりしても、なくしてはいけない習慣や文化がこの日本にはあると思います。
私のお寺に何年もお参りにきていないお墓がありましたが、ある時からお参りされるようになり、折を見てお参りに来た方に尋ねました。するとこの墓はその人の曽祖父のお墓でした。探しに探してここにあることを知りお参りに来たのだと。ご先祖様が存在した証としてお墓があったことがとても有り難くうれしい、お参りするとすっきりすると言われました。
このようにいつどこで末裔の人や知人がお参りするかもしれません。そしてその人たちの喜びや安心につながっていくのがお墓だと思います。お墓にお参りできなくてもご先祖様の証を取り上げずに放っておくのも悪いことだとは思いません。未来の誰かの安心につながることも考えてみましょう。

回答者
大塚 知明 師
真言宗醍醐派妙法寺(大師山寺)住職
当山派修験大先達
当山派修験大先達