〈木津川市〉女性醸造家による繊細な風味と豊潤な香り(ことことビール)

京都山城の自然の恵みが詰まったクラフトビール

京都の南端、奈良にほど近い木津川市山城町。山城地区は、お茶や筍といった農産物に恵まれ、森林の整備活動が行われる水源地など、豊かな植生と土壌を誇る地です。
その山城エリアに初めて誕生したマイクロブルワリー「ことことビール」。京都と奈良、ふたつの古都(こと)に近いことから「ことこと」と名づけられました。
オーナーの前職は、奈良の日本酒蔵。〝醸造〟という同じ経験を活かし2022年5月に開業しました。

コツコツ、コトコト、手間暇かけたこだわりの一杯。
女性醸造家の手作業醸造による繊細な風味と豊潤な香りのビール

手作業で造る日本酒のように、ビールも手間暇かけて造るのがモットー。細繊な風味と香りが求められる醸造は、オーナー夫人が担当。ヘラで混ぜて手作業で仕込みを行い、味をなめらかにするために丁寧にろ過したり、火を管理しながら煮沸を行ったりと、毎日じっくりビールと向き合っています。

料理を楽しむ食中酒としてのクラフトビールを目指す
ボトルラベルにペアリング料理が表示されてる♪

そうしてできる「ことことビール」ですが、夫妻が目指すのは〝気取りのない、食事になじむ食中酒〟。個性の強い香りや味のものではなく、おとなしく料理を楽しめる食中酒であってほしいのだそう。それでいて、いつもの一杯、ご褒美の一杯、特別な日の一杯など、どんな場面でも、飲み手のワンシーンに彩りを添え、山城の恵みを感じる感動的なクラフトビールでありたいと。
その思いが伝わるのがボトル上部のラベル。小さいですが、相性のいい料理が印字されています。例えば、『Go! Go! ヴァイツェン』は、お寿司やお刺身、鶏肉料理などと記され、軽めの料理の味を引き立てるのが読み取れます。HPには、より詳しく、「モッツァレラチーズをはじめクリーミーなチーズとの調和も最高!」なんて具合に料理写真入りで説明書きが。

ミシュランレストランやホテル、イベントなどでも人気ビール!

今春、創業3年目ですが、Beerグランプリ2024での金賞(スタウト)や、ジャパングレートビアワードでの銀賞(コーヒースタウト)など数々の受賞も。京都の情報誌などにもたびたび取り上げられたり、地域や全国規模のイベントへも積極的に出店したりして、知名度を高めています。
全国から地ビール愛飲家が訪ねてくるのはもちろん、京都市内のミシュランレストランで飲んだビールがおいしかったからと、同ブルワリーまで買いに来てくれたカナダ人夫妻もいたそうです。

土・日曜は、ことことパブも開催。

土・日曜には、直売と出来立てを味わえる「パブ」を営業。元々はカラオケスナックだった建物なので、醸造所に併設の形でステージと20席ばかりのラウンジがあり、土・日曜は「ことことパブ」を営業。出来立てのおすすめビールが4種いただけます。
グラス1杯500円~、飲み比べセットは1,000円。大和郡山のイチゴや城陽市のイチジクを使ったスタウトなど、コラボビールも好評です。ナッツやチーズをはじめ、ソーセージやフライドポテトなど、ビールに合うおつまみもあるので、ゆっくり味わってみてください。

JR棚倉駅前は天下の奇祭「いごもり祭り」で知られる湧出宮。
森林浴ハイクや山背古道ウォークのエイドにも?!

ことことビールがあるのは、JR奈良線棚倉駅から線路沿いに徒歩2分の所。
棚倉駅前の鎮守の森には、古来より天下の奇祭「いごもり祭(まつり)」(国の重要無形文化財)で知られる古社「湧出宮」があります。766年創建と伝わり、境内全域が弥生時代の集落跡という有形・無形文化財の宝庫です。

東にはのどかな田園に続いて竹林・山林が広がる、水も空気もきれいなところで、ハイキングや森林浴のメッカ。青竹の林からはサヤサヤと心地よい風が送られ、整然と刈りそろえられた茶畑の美しさに目を見張るような丘陵地が控えています。
また、木津川市から井手町を抜けて城陽市に至るJR奈良線沿いは「山背古道(やましろこどう)」約25㎞の散策道が続いています。そのほぼ中間地点が棚倉駅です。歩いて乾いた喉を潤して再出発もよし、棚倉駅でエスケープのお疲れさんビールもよしでは?(笑)
基本情報 Basic Information
クラフトビール醸造所「ことことビール」
  • 住所: 京都府木津川市山城町平尾三所塚58(JR棚倉駅南へすぐ)
  • 営業時間: 11:51~17:10 ★土・日曜はパブ営業も
  • 定休日: 水・木曜
  • 駐車場: あり
  • TEL: 0774-39-7350
  • HP: https://kotokotobeer.com/
  • SNS:
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