編集長のメッセージ(10月)

新型コロナウイルス感染症も少し落ち着き、全世界的に活動が活発化してきた。私も先日メキシコとキューバの社会情勢視察団に加えていただき23人で9日間の旅をしてきた。その情勢をお伝えしようと思う。まずはメキシコから。
首都メキシコシティーに滞在し、メキシコの日本大使館、JETRO、日本人商工会議所、トヨタメキシコ、住友商事他の現地社長と面会して話を伺った。メキシコと言えば今春、WBC準決勝で日本と熱戦を繰り広げたことを思い出す。
ITに力を入れ、自動車生産は世界第7位、輸出台数は世界第3位を誇る。一方、アステカ、マヤ文明など古代文明が点在する歴史ロマンあふれる国だ。 
そんな話の中で一番印象に残ったのは日系人のお話だった。1897年、国の殖民団として36人が入国。不毛の土地に何とかコーヒー豆を植えようと苦闘を続け、失敗を繰り返しながらやっと開拓に成功し今に引き継がれている。今や4世が中心となってきた中で、その歴史と日本文化を伝えようと頑張っておられる皆さんの努力に頭が下がる思いだった。遠くメキシコで、「日本人の誇り」を教えてもらった気がする。
メキシコの日系人に対する信頼は深い。先人の日系人経営者が給与支払いを遅らせたことがなく、金銭のやり取りでの信頼から来るらしい。一方、同じアジア系でも中国・韓国への評判は悪く、特に韓国人現地人がメキシコの従業員に飛び蹴りをしたところをSNSで流され炎上したとのこと。海外でも地道な行動が信用につながる。

よみっこ編集長 朝廣 佳子

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