編集長のメッセージ(1月)

奈良公園の鹿苑の鹿が虐待されているというニュースが世間を騒がせた。奈良公園の中にある保護施設・鹿苑の特別柵の鹿のことで、奈良県と奈良市が調査に入り、結果としては虐待はないが、十分な環境とはいえないということで、この先について議論されている。
私も鹿サポーターズクラブという、奈良の鹿の愛護会と連携しながら、鹿と人の共生を目指す団体を主宰しているだけに、会員さんからも心配の声が多かった。
だが考えてほしい。今回問題になっている特別柵の鹿。なぜここに240頭もの鹿が収容されているのか。ここには奈良公園周辺の田畑に入って荒らした鹿が捕まえられて入れられているのだ。
彼らは一生ここから出られず、ここで余生を暮らすことになる。なぜなら鹿は常習性が強く、一度悪さをすると、何度でも繰り返すからということらしい。
その特別柵の鹿がどんどん増えている。それは我々人間が、鹿せんべい以外のものを与えてしまったり、お弁当ガラなどのゴミをそのまま奈良公園に置いて帰ったりするからだ。それを食べた鹿が味を覚えて田畑に餌を求めていくのだ。
鹿がかわいそうと言って、何度注意しても野菜くずを撒いている人がいる。それは鹿を田畑を荒らす犯罪に導いているようなものだ。
実際の愛護会の職員の皆さんの毎日のご苦労を見ると頭が下がる。交通事故や病気の鹿の収容もしかり、人が安全に鹿と触れ合えるよう、日々努力してくれている。
ニュースを鵜呑みにして支援をやめるとか、抗議を繰り返している方へ。鹿と人が共生するためには互いが歩み寄らなければならない。ぜひこれからは応援してください。真実を知った上で。

よみっこ編集長 朝廣 佳子

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