〈葛城市〉十一面観音に祈りを捧げる 置恩寺観音講 2026.3.11 鮎 村の女性たちによって守られてきた観音への祈り 奈良県葛城市寺口にある置恩寺(ちおんじ)には、村の女性たちによって組織された「観音講」があり、毎月17日に十一面観音菩薩立像の前で読経が行われています。 同地区で粛々と続いてきた信仰ですが、過疎化や高齢化でその存続が危ぶまれています。今回はある月の観音講を訪ね、現在の講の様子を見学してきました。 集合は午前8時30分頃。本堂と、観音様を安置する収蔵庫の清掃と供物の準備を行います。本堂も収蔵庫も平時は非公開のため、この日を目がけてお参りに来る人もおられるとか。 本堂。本尊は薬師如来 収蔵庫に安置される十一面観音菩薩立像は、平安時代初期から中期の作と考えられているもので国の重要文化財にも指定されています。 読経は午前10時から始まります。念仏を唱えた後は、西国三十三所霊場の各札所やお大師さま、置恩寺の御詠歌を順にあげ、最後に般若心経を唱えます。 鉦を打ちながら独特の節で唱えられる御詠歌。線香の香りや、ほのかに揺れるろうそくの火。五感をもって観音様とのご縁がだんだんと結ばれるような感覚になります。 読経が終わるとひと通り片付けをして、みんなでお弁当タイム。その後はいつもお昼過ぎまでおしゃべりを楽しんで帰られるそう。 みかんとお菓子をいただきました この日は10人ほどで執り行われていましたが、寺口地区の高齢化と過疎が進むとともに講の高齢化も進み、続く担い手が現れないのが現状。 今では寺口区外の人でも講に入ることができるようなので、一度雰囲気だけでも味わいにお参りしてみてはいかがでしょうか。