11月17日[月]

〈葛城市〉世界で一つの一点モノ!ファッショナブルな手作り日傘/紋白(もんしろ)真嶋 陽子さん

奈良で活躍する“奈良もん”
今回は、傘・染織・服飾作家『紋白』の真嶋陽子さんをご紹介!

奈良県葛城市、當麻寺のほど近くにある工房「紋白(もんしろ)」。染織作家の真嶋陽子さんがアフリカンプリントや伊勢木綿など鮮やかで個性的な生地で作る日傘や衣服が人気だ。
幼少の頃から小物や洋服を作るのが好きだったという真嶋さんは、大学で染織を学び、卒業後も服などを自ら制作していた。

日傘を手掛けるきっかけは大学の恩師からもらったアフリカンプリントと呼ばれる綿生地だった。鮮やかな幾何学模様などを描く生地に、衣服に仕立てるには色が派手すぎると感じ、活用方法を模索するうち日傘と組み合わせるアイデアを思い付いた。

奈良市の老舗洋傘店に教えを請い、制作を重ねるなかで2010年に「紋白」を開業した。
日傘は布を8枚、三角形に切り、骨組みに合わせる。生地にはアフリカンプリントのほか伊勢木綿や遠州綿紬などの着物の生地も使う。「布にそれぞれに特長があるので、伸び率や骨組みのしなりなどを考えながら布をカットするのが難しい。単純に計算してではできない、繰り返し作ることでの経験と勘ですね」

柄(ハンドル)に露先、石突き、バンド、その留め具などの細かなパーツも木や竹、アクリルといった多彩な素材・デザインのものから自身の感性で組み合わせていく。こうしてできあがる日傘は一つとして同じものがない一点モノ。これも人気の要因だ。

制作は12月から3月の間に行われ、その他の時期にはオーダーメイドやOEM(委託制作)、日傘の修繕、また日傘以外にも機織りやオリジナルの洋服づくり、機織りの指導なども行っている。
製造拠点が海外に移り、日本の傘職人も激減、各パーツを作る工房も後継者不足などによって閉業する昨今。「傘は誰でも簡単に作れるものではない。こうして傘を作れる技術が自分にあるというのはギフトだと思うので、これからも作り続けていくことがひとつの目標になると思います」と真嶋さん。
商品は大阪市内の雑貨店のほか、百貨店や真嶋さんと縁のある施設での催事などで販売している。

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