メディカル最前線vol.17 西の京病院 整形外科

【整形外科】 変形性膝関節症に朗報! 膝軟骨の再生医療 〜手術に踏み切れないけど、ヒアルロン酸で改善が見られない人〜

股関節・膝関節の人工関節手術を、患者に負担の少ない最小侵襲手術法で成果を挙げている西の京病院整形外科・人工関節センターでは、変形性膝関節症の治療に最先端の膝軟骨の再生医療を、今年度中に取り入れる予定だ。内藤浩平センター長に、その新たな治療法について話を伺った。

変形性膝関節症

加齢とともに膝の軟骨がすり減り変形していく病気で、痛みや歩行困難などで日常生活に支障を来すようになるもの。
問診・視診、レントゲンやMRIなどで検査し、診断する。

治療法

【保存療法】

変形や痛みが比較的軽い場合は、理学療法士の指導下で運動・ストレッチなどで筋力を強化し、薬などで疼痛の改善・予防。

【膝軟骨の再生医療】

血液に含まれる血小板の傷の修復能力を利用するもので、自身の血液から抽出・濃縮して軟骨の損傷部分に注入し、痛みや進行を抑える。靭帯損傷部の治癒を目指すPRP療法と、膝軟骨そのものの修復再生を促すAPS療法があり、その有効性や安全性が確認されているが、現在は保険適用外の自由診療だ。

※PRP療法…Platelet Rich Plasma
※APS療法…Autologous Protein Solusion

〈PRP療法〉田中将大投手がひじの靭帯の治療に適用!

ヒアルロン酸などの薬で改善が見られない場合、手術に踏み切る前段階として、膝軟骨の修復を図るのが再生医療です。

【手術=人工関節置換術MIS法】

痛みや変形などが強く、日常生活も不自由な場合は、人工膝関節置換術を検討。  同院では、画期的な人工関節置換術をいち早く導入、皮膚・筋肉・腱の切開は極小(6~10㌢)、入院期間は従来の三分の一、と患者の負担が軽減される上、手術翌日には歩行訓練開始で社会復帰も早い。

★同院での人工関節手術の最高齢者は90歳!

〜自宅でできる手軽な運動〜

太ももや膝周りの筋力トレーニング。
これが膝を守る最高の予防・改善法です。

治療の選択肢が増えてきました。人生100年時代に自立した生活が送れることに意義があるので、本人が望む生活スタイルを最優先します。ヒアルロン酸と手術の間の治療法として、再生治療の有効性は大きいですね。

整形外科部長
人工関節センター長
リハビリテーションセンター長
内藤 浩平 医師

整形外科学会専門医、リウマチ学会専門医 リハビリテーション医学会認定臨床医、 骨粗鬆学会認定医

■患者支援センター TEL.0742-35-2219
https://www.nishinokyo.or.jp/

取材協力/医療法人康仁会 西の京病院
TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)
奈良市六条町102-1

*yomiっこ2019年8月号に掲載の情報です

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