メディカル最前線vol.64〝食の西の京病院〟を目指して

【栄養管理部】多職種連携(チーム医療)で栄養管理!

一人ひとりの患者に、医師・看護部・診療支援部などの多職種が連携で、疾病の早期発見、重症化予防、治療回復、退院後の生活支援などを行っている西の京病院。命や健康に直結する食事療養について、栄養管理部の岩﨑早耶課長に話していただいた。

栄養管理部

岩﨑 早耶 課長/IWASAKI SAYA

先生の健康法
3食きっちり摂ることと有酸素運動(動画を見ながら室内ウォーキング)をしています。

■栄養管理部の活動

病院における栄養学の必要性が高まる中、同院栄養管理部では医師が行う治療を支えるため、あらゆる病態に対応した食事を提供している。

また、平成27年にはNST(栄養サポートチーム)を立ち上げ、臨床の専門的な知識を持つ管理栄養士が多職種と連携しながら、入院から退院後の生活まで患者の栄養面をしっかりサポートしている。

■入院中の食事

おいしく健康に

管理栄養士・栄養士・調理師が定期的にカンファレンスし、入院患者の嗜好しこうや病態に配慮した献立の作成を行う。種類は一般食・特別食22種、ミキサー食や刻み食など嚥下咀嚼えんげそしゃく能力に応じ7段階食のほか、アレルギーにも対応、毎月季節の行事食などを加える。

さらに同院では、特に透析治療の患者数が多いため、透析食にも力を入れている。

3月3日の行事食
透析患者の特別食
近年「入院生活の楽しみは食事!」と言ってくださる患者さんが増えました♪

■外来 栄養指導(相談)で食生活をサポート

外来でも栄養指導(相談)を行っており、医師の指示の下、経験を積んだ管理栄養士が患者の食生活をサポート。患者の希望も聞き取りながら、基本的な食事療法から最新の栄養関連情報の提供まで柔軟に実施中だ。

■栄養サポートチームでの活動

NSTは、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、臨床検査技師、言語聴覚士等の専門職が、職種や診療科間の垣根を越えてチームを組み、各職種の専門性を生かしてより適切な栄養管理を行うユニット。

入院時に患者の栄養状態を評価し、低栄養やそのリスクがある患者には、NSTが介入して栄養状態改善に向けてサポート。早期介入することで、免疫力を上げたり治療効果を高めたりしている。

さらに同院では令和5年から、透析患者の低栄養に対応するため、透析NSTを発足し、より専門性の高い栄養介入を実施している。

■透析サルコペニアサポートチーム(透析SST)

サルコペニアとは、骨格筋、筋肉量が減少した状態を指し、高齢化や低栄養から発症しやすく、筋力のほか活力まで低下してしまう。透析療法を受けている患者は、サルコペニアの危険性が高く早めの予防が必要。そのため同院では看護師、臨床工学技士、管理栄養士、理学療法士からなる透析SSTが介入し、運動療法と食事療法を勧めることで、その予防と改善を目指している。

■介護部門との連携

病院以外にも法人内の「老健」と「介護医療院」配属の管理栄養士が在籍。入院中の食事栄養情報を引き継ぎし、退院後も安全に食事ができるように連携している。

また、その他のグループ介護施設にも管理栄養士が定期的に巡回し、退院後の患者の栄養状態を確認している。

栄養管理部に所属する
病院と介護部門の管理栄養士チーム

■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1
https://www.nishinokyo.or.jp/
基本情報 Basic Information
西の京病院/にしのきょうびょういん
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