メディカル最前線vol.62 筋肉を全く切らない人工股関節置換術最小侵襲前方進入法(AMIS)

【人工関節センター】手術後も動作制限なく自由に動ける生活を!

高齢化社会を反映し、変形性膝関節症・股関節症で人工関節手術を受ける人が年々増え、日本では年間16万件以上の手術が行われている。人工股関節では手術後の動作に制限をかけられるが、手術後も動きに全く制限なく過ごせるよう、MIS法(最小侵襲手術)の中でも筋肉を全く切らないAMIS法(最小侵襲前方進入法)で実績を積む、西の京病院・人工関節センター長の斉藤昌彦医師に話をうかがった。

人工関節センター長

斉藤 昌彦 医師/SAITOH MASAHIKO

先生の健康法

中~高~大学でやっていたバスケットボールをずっと続けています(競技歴45年)。そして現在でも様々な大会に選手として出場しています。

■人工股関節置換術とは

変形性股関節症、関節リウマチ、大腿骨頭壊死、股関節の骨折などで傷んで変形した股関節を金属やセラミックなど人工の関節に置き換える手術。従来は、皮膚・筋肉・腱の切開が15~20cm必要だったが、新技術のAMIS法だと6~9cmで済み、周辺の筋肉を全く傷つけないので入院期間も1/3の1〜2週間程度に短縮、患者の負担を大きく軽減できる。ただ手術手技が難しいため、AMIS法が行える医師はまだ少数だ。

■手術方法

人工股関節の手術方法には、股関節に到達する進入法(アプローチ)に違いがあり、大きく分けて後方進入法、側方進入法、前方進入法の3通りがある(他に前外側や上方の進入法もあり)。

❶後方進入法

日本で最も多く行われており、大殿筋(お尻の筋肉)や股関節の後ろの筋肉を3~4か所切るため脱臼率が高くなり、手術後の生活に様々な注意が必要。

❷側方進入法

中殿筋という筋肉を切るため股関節を外に開く筋力が低下し、ひきずり足歩行(跛行はこう)となる可能性あり。

❸最小侵襲前方進入法(AMIS法)

前方進入法にも何種類かあるが、DAAという方法が唯一、筋肉を全く切らない方法。これにMIS(最小侵襲手術)を組み合わせた「AMIS法」は、筋肉を切らないだけでなく関節包(関節の袋)を構成する靭帯もできるだけ温存するため、術後の痛みが少ない、術後の回復が早い(入院期間の短縮)、筋肉の変性が生じない、脱臼のリスクが低い、動作の制限が不要など、多くのメリットがある。

\チームでサポート!/

習熟した専門医が手術し、看護師、理学療法士、薬剤師など病院スタッフが人工関節センターとしてチーム医療で早期の関節機能回復を図り、術後の定期的なフォローアップで、安心な生活をサポート。
副院長 整形外科部長・リハビリテーション センター長兼務
内藤 浩平 医師/NAITO KOHEI
先生の健康法
ロードバイクで屋外を50~100㌔走ったり、室内でもペダルを踏んだりしますし、毎日ヘルスメーターで体重や体脂肪の管理をし、筋肉維持に努めています。
■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 奈良市六条町102-1/
https://www.nishinokyo.or.jp/
基本情報 Basic Information
西の京病院/にしのきょうびょういん
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