〈生駒市・天理市〉大人も子どもも学び楽しむ居場所へ奈良から始める「全く新しい学校」づくり/アトリエe.f.t. 吉田田タカシさん 2025.10.9 鮎 奈良で活躍する“奈良もん” 今回は、新しい交流の場を生み出すアトリエe.f.t. 代表の吉田田タカシさんをご紹介! 生駒市にある「まほうのだがしやチロル堂」。駄菓子屋に食堂や集会場など様々な機能を併せ持つ施設で、子どもから大人まで誰もが居心地よく過ごせる交流の場として、市内外から多くの人が集う。 子どもは独自の通貨「チロル」を使って駄菓子や食事など自由に楽しみ、大人に対する商品やサービスには寄付の要素を組み込むことで、地域全体で子どもを育てる。こうした取り組みは、今や全国に広がり、2022年にはグッドデザイン賞の大賞も受賞した。 吉田田 さん(中央)とチロル堂のスタッフのみなさん 同施設の共同代表のひとり、吉田田(よしだだ)タカシさんはこの度、天理市御経野児童館を活用した新たな教育施設「e.f.t. College of Arts」を創設する。「すべてのこどもが主体的に学び、大人が価値観をアップデートする仕組み」を備えた学校をつくり、新たな日本の教育モデルを提案する。 吉田田さんは、大学在学時にアートスクール「アトリエe.f.t.」を創設。「つくるを通していきるを学ぶ」を合言葉に、アート活動を通して、学校教育では対応しきれない多様な子どもたちに学びの場を提供してきた。 天理市の同施設では、アートスクールをはじめ、チロル堂やその他これまでの社会的活動、支援プロジェクトでの取り組みを導入し、子どもアトリエや交流スペースを設置。広場は木々が茂る緑豊かなコミュニティ活動の場となる予定だ。また企業や教員、PTAに対する研修なども行うという。 チロル堂 「どんな子どもも『いていい』と安心できる居場所には、楽しみ笑う大人の存在がある。様々な生きづらさを抱えやすい現代において、子どもたちに生き抜く力を学んでもらうためには、大人たちにも今の時代に合った教育の価値観を学ぶ必要がある」 事業は27年度をめどに開始予定。改修などに必要な資金は企業版ふるさと納税やクラウドファンディングなどでも支援を募っている。「教育は全世代の課題。天理市と協働し、クリエイティブを通して教育・福祉・地域を繋ぎ、大人も子どももワクワクするような新しい教育モデルに取り組んでいくので、ご支援いただけるとうれしい」と吉田田さん。 ◆e.f.t. College of Arts https://www.coa.eft-art.jp/