奈良で活躍する“奈良もん”
今回は、山添村のピザ職人ピッツァイオーロ『once』の増田雄也さんをご紹介!
山添村南東部の山里・毛原の旧茶工場で昨年11月、ピッツァスタンド「once(ワンス)」がオープン。今回は同店でピッツァイオーロを務める増田雄也さんに話を伺った。
毛原で生まれ育った増田さんは高校を卒業後、専門学校を経て大阪のイタリアンに就職。ピザ作りを担当する中で、山添村の食材を仕入れた際にそのおいしさに衝撃を受けた。
「食べた瞬間、こんなおいしい野菜があるのかと。初めは料理がうまくなりたいという気持ちだけで大阪に出てきましたが、いつしか村の魅力を詰め込んだピザ屋をやりたいなと思うようになりました」
しかし、新型コロナの流行で店舗が休業。実家にも帰省できない状況に。休業中にピザ作りの腕を磨くことはできたものの、次第に「どうしていいかわからなくなった」と心を病み、休職を申し出て、故郷に戻った。
村での暮らしは都会にはない温もりがあった。緑豊かな自然と人々の温かさに触れた。幼なじみの誘いで村をPRする動画の撮影や地域おこし協力隊としても活動した。
「活動するうちに村の良さ、生まれ育った毛原の良さに改めて気付きました。苦しい時に救いとなってくれた村に僕が恩返しをする番だと思いました」。この思いを胸に3年間の準備期間を経て、onceの開業に至った。
店舗は閉業していた村の共同製茶工場で、増田さんの祖父が最後の管理人を務めており、これを引き継いで改装した。広い工場内の一部を飲食スペースとし、残りはアートギャラリーなどに活用予定だそう。
ナポリ製の薪窯で焼き上げるピッツァには自然農法(炭素循環農法)で栽培された野菜や村産食材を多く用いる。増田さん自身も仕入れ先の農家に弟子入りし、放置された茶畑などを再開墾して野菜を栽培している。
毎日土いじりをしているうちに感覚が研ぎ澄まされ、生地の粉と水のバランスを手で感じ取れるようになるという好影響も。「土壌が良くないといい野菜が育たないように、生地が良くないとトッピングの味も活きないんです。日ごとの環境に合わせながら手ごねで生地を作るようになってよりいいものに仕上がっています」
店名には“もう一度”“循環する”という意味を込めた。「村の魅力が詰まったピッツァを口に入れてもらうことで、食材が育った環境や人を知ってもらう。また輪が広がって農業や地域行事などを共に楽しんでもらえる人が集まるような場になれば」と増田さん。




















