メディカル最前線vol.26 西の京病院 歯科

【歯科 】 歯と口の健康は正しい歯磨き習慣から! 健全な口腔が全身の健康につながる

歯周病や虫歯、口臭などを予防する歯磨き。毎日歯磨きをしない人はいないが、正しく磨けている人は少ないようだ。歯周病による全身疾患など、体全体の健康に口の健全性が大きく影響する。院内医師や地域の医療機関との連携で、様々な合併症治療に当たる西の京病院・歯科の中塚伊知郎先生に、正しい歯磨きについて伺った。

歯周病は万病のもと

「歯周病菌や菌の毒素、炎症性物質が血流に乗って全身を巡り、いろいろな病気の発症と関連しているとされます。初期の人を含めると成人の80%以上が罹患している国民病です」と話し、毎日の正しいブラッシングと、歯科医での定期的なケアで健全な歯と口腔環境の維持に努めることが大切と力説。

⬇︎歯周病は全身の健康に影響!

●糖尿病(合併症)
●心臓病…リスク3倍
●骨粗しょう症…リスク2倍
●脳梗塞
●動脈硬化
●アルツハイマー型認知症
●肺炎(誤嚥性肺炎)
●低体重児出産  …リスク7倍以上
●早産
●バージャー病 (閉塞性血栓血管炎)

歯磨きの目的

歯磨きの目的は、虫歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク:細菌と細菌の排泄物の塊)を取り除くこと。歯垢は粘着性があり、時間がたつほど取れにくくなるので「食べたら磨く」が大切だ。

日頃使っている歯ブラシを見直そう

道具も正しく選ぼう

❶まずは歯ブラシ選びから
歯ブラシは、毛の材質、硬さ、形、量、密度などの違いがあり、いろいろなタイプものがある。大切なのは、汚れがきっちり落とせる歯ブラシ、自身の口の状況に合った歯ブラシを使用することだ。ぜひ、かかりつけの歯科医院で、専門家に相談してみて。

❷歯ブラシ以外の道具を活用
歯ブラシだけで落とせる汚れは平均で60%程度といわれている。歯ブラシに加えて、歯間ブラシ・フロスなどを使用することで、80~90%の汚れが落とせるようになる。歯科医院で指導を受け、使い方をマスターしよう。

❸歯ブラシは1か月ごとに交換!
毛先が開くと、清掃能力が40%低下し、毛先も摩耗して歯肉を傷めてしまうことも。プラークを効率よく取り除くには、歯ブラシのこまめな交換を。

半年に1度は定期健診で 口腔環境を健全に

正しく磨けているかどうか確認の意味でも定期健診を受けよう。歯科医院では、歯周ポケットの状態を診たり、磨き残しをチェックし、歯垢や歯石を取り除いてきれいにしてくれる。そして患者それぞれのウイークポイントに対する手入れ法(歯磨きのコツや生活習慣指導など)のアドバイスもしてくれる。

口腔内掃除のスグレモノ= エアフロー治療法

歯肉と口全体の診査→歯の汚れ(歯垢=バイオフィルム:ばい菌)を染め出し、細かい粉交じりのエアフローで除去する。歯周ポケットの深さに合わせたチップを使い、歯や歯茎を傷めることなくスピーディーに歯垢や歯石の除去が行える。

歯と歯茎にやさしく、スピーディー&的確!

●安心して治療を受けていただけるよう、使用する器材は適切に滅菌・消毒しています
●痛みやストレスの少ない治療を心がけています

“健全で高機能を持つ口腔を保つ”がモットーです。元気な歯の数、また義歯でもかみ合わせの良しあしで健康寿命が変わってきます。口腔環境は幼児から。子どもさんの歯のこと、気軽にご相談ください。

中塚 伊知郎 医師
徳島大学・岡山大学大学 院卒 歯科医師 歯学博士

歯や口のサイズや健康状態に合わせた毛の材質や硬さ、大きさの歯ブラシ選びが大切ですが、歯磨き剤にも注意を。研磨剤入りのものでゴシゴシ磨き過ぎて歯の根っこを削り取る「NCCL」(非う蝕性歯頚部歯質欠損)の恐れがあります。

吉元 智香子 医師
新潟大学歯学部卒 

■医療法人 康仁会 西の京病院 歯科

TEL:0742-35-1117 ●予約優先制
診療時間:9:00〜12:30、14:00〜18:15(土曜は13:30まで)
受 付:診療終了時刻の30分前まで
休診日:木・日曜、祝日

■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1
https://www.nishinokyo.or.jp/

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