メディカル最前線vol.78 白内障手術 日帰り可能・選定療養

多焦点眼内レンズで、“裸眼で見える”快適性

「視覚」が生活に及ぼす影響は大きく、視力の低下は、日常生活が不便になる上、読書や旅行などの楽しみも減り、思わぬケガも増える。高齢化に伴う白内障人口は増加の一途だが、医療技術や眼内レンズの性能の進歩により、快適な生活が送れるようになった。白内障手術や網膜硝子体手術のエキスパート、西の京病院眼科の伊藤 暁部長に話を伺った。

眼科部長

伊藤 暁 医師/ITO SATORU

人の感覚で生活に大きく関わるのは「視覚」。 自分の目に関心を持って大切にしましょう。“裸眼で見える”ことの利点は、生活のクオリティー向上と、災害時などの身の安全にもつながります。
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■白内障手術、最小の切開創
 日帰り・難治性白内障にも対応

同院では、通常の白内障から水晶体脱臼の重症例まで対応。手術は局所麻酔(目薬)下で、傷口も約2ミリ前後と非常に小さい。超音波で濁った水晶体を取り除いた後、眼内レンズを挿入する。その時間はわずか10分ぐらいで、日帰り手術か入院手術かは希望で選べる。日帰り・通院だと、仕事などの生活環境を大きく変えずに治療ができるという。
適応可能かどうかは、網膜疾患など目の状態を精密にチェック、またレンズの種類も、患者が望む見え方をシミュレーションした上で手術の判断をする。
白内障手術
乱視矯正も乱視の度数幅が拡大し、多くの人の適用可に。
レーシック手術(屈折矯正)を受けた人もOK。

■一生モノの裸眼視力を回復
 多焦点眼内レンズでQOLの向上

これまでは遠方か近方いずれかがよく見える単焦点眼内レンズを用いることが多かったが、近年は生活の質の向上のために多焦点眼内レンズの装着が増えている。
多焦点眼内レンズとは、遠くと近くが同時にクリアに見える2焦点レンズや遠中近のすべてが同時にクリアに見える3焦点レンズがある。
視機能の衰え(アイフレイル)は日常生活の制限につながり、ひいては健康寿命の短縮にもつながる。自分の生活のシーンに合わせたレンズを選ぶことが大切だ。
※乱視矯正用もあり
多焦点眼内レンズ

■「多焦点レンズの選定療養」実施中
 レンズの高性能化・従来の半額以下に

多焦点レンズは、選定療養が可能になり、費用面では種類によって以前の半額以下となった。
日常生活の快適性はもとより、災害時やとっさの場合、メガネやコンタクトレンズの装着といった手間や不安は解消されることなど、検討の価値はありそうだ。
多焦点眼内
レンズ
以前
片眼 約50万円
➡︎
現在
 半額!
白内障手術
(保険適用)
多焦点眼内レンズ
(自己負担)

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診察日
月曜〜金曜の午前
※午後は予約診療のみ
※アイフレイル…加齢に伴う目の衰えの上に、様々な外的ストレスが加わることによって目の機能が低下した状態

■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 奈良市六条町102-1/
https://www.nishinokyo.or.jp/

基本情報 Basic Information
西の京病院/にしのきょうびょういん
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