編集長のメッセージ(5月)

コミュニティラジオ「ならどっとFM」で、毎月第4月曜15時からの『山寺おしょうのラジオ法話』に、大師山寺住職・大塚知明師の聞き手として出演していることは前にも述べたが、いつの間にか4年目に入った。
毎回ゲストのお坊さんを迎えてのお話と、大塚さんご自身のお話がとてもためになる。先日は「仏様や神様も好き嫌いがある」というお話だった。「えっ、仏様や神様って何でも受け入れていただけるんじゃないの」と思ったが、その中でも好き嫌いがある仏様や神様もおられるという。
たとえば子どもが大好きなお地蔵さんや「油掛地蔵」「味噌みそなめ地蔵」。「油掛地蔵」は奈良では磯城郡川西町が有名。できものを治すのに油をかけてお祀りしたことに由来する。信貴山玉蔵院では毘沙門天に毎日欠かすことなく貫主が油をかける浴油法が今も行われている。「味噌なめ地蔵」は大和郡山市の矢田寺にあり、味の悪かった味噌をおいしくしたといういわれから、皆がお地蔵さんの口のまわりに味噌をつけにくる。
ほか不動明王さんはエビが嫌い、弁天さんは蛇の化身ともされるので卵をお供えするといいとか、大黒さんは黒豆が好き、お稲荷さんは揚げが好き、天神さんは梅が好き、蔵王権現様は桜が好きといったように、好き嫌いを持っている仏様や神様に好きなものを供えるとご利益があり、嫌いなことをすると罰が当たるとされている。
罰が当たるのは怖いが、何か人間的でとても親しみを感じる。どうせなら知って付き合ってお願いする方がいい。それは人も同じで、相手の好き嫌いをはじめ、相手のことを知るということが重要だと話された。
令和の昨今は嫌いというよりアレルギーのある人が増加しており、覚えるのにも一苦労しそうだ。だが自分のことを知ってもらえるのはうれしいものだ。
「好きなものは何ですか?」はコミュニケーションの第一歩。忘れっぽい私はスマホに記録して、より楽しく人とお付き合いしたいものだ。

よみっこ編集長 朝廣 佳子

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