【お悩み】いつも不安でネガティブな気持ちになります
私はいろいろなことが心配で常に悩んでいます。ポジティブな人を見るとうらやましいです。私もそのように考えたいのですが、どうしてもネガティブな考えにとらわれてしまい、うまくいかなかったらどうしよう、相手に嫌われたらどうしようなど、そんなことばかり考えてしまい、積極的になれません。どうすればポジティブな考え方ができますか?
(奈良市 K 40歳)

不安にかられる方は自分に自信のない方が多いです。
成功体験の少ない方や、よく叱られて育った方、あなたはできない人と周りから言われた人、ダメよダメよと育てられた人、そんな経験が、自分にブレーキをかけてしまいます。
だから、仏教では修行することが良いと言われます。その修行とは、運気を上げる方法のようなものです。
1つは玄関とトイレの掃除です。毎日使う所を奇麗にすることにより、脳内に整理するという信号が出て、悪い思いを整理してなくしていく効果が生まれます。
2つめは毎日、仏様や神様、またご先祖さまなどにお供え物をすることです。お茶とかお水だけでもいいですし、ローソクやお線香、お花、お菓子など、ある意味なんでも良いです。お供え物するという行為は敬いと継続という力を養います。世の中を渡るうえで「敬う心」を持つことは、自分を一歩下がって見る人になる方法です。
うらやましいという心は一歩下がると向上心につながります。同じレベルに立つから負けていると思う気持ちになるのです。この人にはかなわない、この人はできる人だ、学んでみよう、私は違う所で頑張ろうと思うことで、選択する幅が広がります。あきらめや自分ができないと思う時は、新しいことをしよう、違うことをしようという勇気を持ってくださいね!
また、毎日同じことを継続することで身に付く行いが、日々健康であるということに気づかせてくれます。人生は何を成すかでなく、長く健康で生きることが最大の勝者なのです!
楽しいことやうれしいことがどれだけあるか、どれだけ楽しい、うれしいと思える自分を作れるか、が必要です。人には役割があり、できることは人それぞれ違うと知ることです。
仏教的に言うと嫌なことがすべて修行と思える自分を作ることにより、喜びというご利益を得ることができるのです。お坊さんや山伏の修行は、雑念や嫌な思いをなくすためにするものです。
毎日、お経を唱えたり、山を歩いたり、苦しみを一定期間耐えたり、同じ繰り返しをして、自分自身を見つめ直すことで悲観的な自分を変えるのです。その中で周りの人の幸せを祈ったり、誰かのためにと徳を積むことで、感謝されたり褒められたり、必要だという人が現れたり、良いことが起きたりするのです。そうすれば、自信もついてきて、他人は他人、自分は自分と思えるようになるでしょう。
まずは、自分を信じて勇気という輝きを持つこと。それを仏教では、自燈明と言います。自分の中に光を灯して、自身の素晴らしさを見つけましょう。自分のできることを一歩一歩、一つひとつする勇気が自信になっていきます。
そして、喜びという成功体験を重ねてくださいね。必ず自分を褒められるようになり、変わっていきますよ!

回答者
大塚 知明 師
真言宗醍醐派妙法寺(大師山寺)住職
当山派修験大先達
当山派修験大先達