〈十津川村・伊賀市〉「風流踊」ユネスコ無形文化遺産へ、十津川「大踊」など41件

十津川の大踊/武蔵

全国24都府県に伝わる41件の伝統的な盆踊りや念仏踊りで構成される「風流踊(ふりゅうおどり)」が、ユネスコ無形文化遺産に登録された。

今回は現在登録されている「チャッキラコ」(神奈川県)に、40件の追加を行う拡張提案で、奈良県では「十津川の大踊」(十津川村)、三重県では「勝手神社の神事踊」(伊賀市)が含まれている。
風流踊は中世芸能の一つで衣装や道具に趣向を凝らし、歌や笛などのお囃子に合わせて踊る民俗芸能。
十津川の大踊/西川
「十津川の大踊」は、毎年8月に踊られる盆踊りで、同村小原・武蔵・西川の3地区に伝わる。中世以来の古典的な踊りが伝承され、風流踊の典型例として貴重なものだ。浴衣姿の人々が、房を付けたバチや太鼓、扇、切子灯篭などを持って踊る。
また「勝手神社の神事踊」は、伊賀市山畑の勝手神社の秋祭に行われる芸能。色鮮やかな花を付けたオチズイを背負い、胸にカッコと呼ばれる桶胴太鼓を付けた「中踊り」、太鼓を打つ「楽打ち」など、20数人で構成される。三重県の伝統芸能「かんこ踊り」の中でも整った形式を持つ美しい踊りが特徴だ。
勝手神社の神事踊
無形文化遺産は、芸能や儀式、社会的慣習などを保護対象とする制度。現在、世界で530件が登録されており、日本では歌舞伎や雅楽、和食、和紙などが登録されている。日本からの登録は20年の「伝統建築工匠の技」以来。拡張登録のため件数は変わらない。
戻る