〈奈良市〉奈良市にある“もうひとつの飛鳥”をぶらり 2026.2.27 にっしー 奈良市の高畑エリアに飛鳥地区が存在するのはどうして? 奈良市には飛鳥小学校、飛鳥公民館のように飛鳥と名が付くエリアがある。どうして奈良市なのに飛鳥? 今夏に「飛鳥・藤原の宮都」が世界文化遺産の登録を控えている今、地元の方と一緒に“もうひとつの飛鳥”を巡ってきました。 天神社からの景色 案内人 木下修平さん 奈良市生まれ、奈良市立飛鳥中学校出身。現在は奈良市古市町でランドセルの販売とリユース事業を行う地元奈良を愛する人。 ルートをPDFで見る 【歩行距離:約2.8km】 【目次】 ❶ 瑜伽神社(ゆうがじんじゃ) ❷ 天神社(てんじんしゃ)横の公園 ❸ 骨董 やまのは ❹ 瑜伽山園地(旧山口氏南都別邸庭園) ❺ 鹿の子(かのこ) ❻ 入江泰吉記念奈良市写真美術館 ❼ 史跡・頭塔(ずとう) ❽ ピークスベニエ ❾ 福智院 近鉄奈良駅 スタート 奈良ホテルバス停 ❶ 瑜伽神社(ゆうがじんじゃ) 祭神は宇迦御魂大神(ウカノミタマオオカミ)。平城京遷都の際に、飛鳥京の鎮守社から御霊をこの地に遷されたと伝わる。瑜伽(ゆうが)とは仏教用語で、呼吸と精神の統一をはかる「ヨガ」の語源。平安期に興福寺大乗院の鎮守社となり、社の名も宗論の「瑜伽」に。古くから桜と紅葉の名所でもある。飛鳥京の本宮に対して、今宮と称したこともあった。 長い階段を上って小高い山にある本殿へ到着。振り返ると眺望が良い にっしー 瑜伽神社 住所: 奈良市高畑町1059MAP なぜ 飛鳥 と呼ばれるの? 1300年前の平城京遷都の際、飛鳥京の鎮守社の神様をこの地へ遷し奉った。奈良にやってきた官人は、瑜伽神社や東にある天神社を含むこの丘陵地一帯が、飛鳥の雰囲気と似ていたので「平城(なら)の飛鳥」と呼ぶように。現在は全域が歴史的風土特別保存地区に指定。 訳/故郷の飛鳥も良いが、今の都である 奈良の明日香を見るのも良いものだ ふる里の飛鳥はあれど青丹よし 平城の明日香を見らくしよしも 大伴坂上郎女(さかのうえのいらつめ)の万葉歌碑 今でも気象条件などが良ければ大和三山が見えることもあります。万葉の人も、この場所から遠く飛鳥の地に望郷の念を抱いたのでしょう ▶︎ 宮司の藤岡信宏さん ❷ 天神社(てんじんしゃ)横の公園 瑜伽神社から少し歩くと少彦名命・菅原道真公を祀る天神社(地元の氏神様)があり、この高台からの景色も素敵。隣には公園があり、幼い頃は友達と遊び、大人になってからも訪れている木下さんお気に入りの場所。いつも空いていて静か、読書に最適だそう。 喧騒を忘れさせてくれる場所です 木下さん ❸ 骨董 やまのは 大宇陀「古道具 山ノ葉」の姉妹店で昨年9月に開店。レトロな食器類や雑貨など、デザイン性のある「使える道具」を、店主の柳原さんがセレクト。一見わからないものも、用途を聞けば目からウロコ。価格も1点1,000円~と良心的。 実はハエ取り器! 骨董 やまのは 住所: 奈良市高畑町1202-7 陽だまりプラザ2FMAP TEL: 0742-22-5060 営業時間: 13:00~17:00 定休日: 月~水曜、不定休 関連記事 大宇陀「古道具 山ノ葉」 ❹ 瑜伽山園地(旧山口氏南都別邸庭園) 鷺池・浮見堂の南側、瑜伽山の起伏をいかした日本庭園。ここは明治・大正期に活躍した大阪の財閥、山口吉兵衛の別荘(サロン)があり、昭和2年に国指定文化財「名勝奈良公園」に追加指定。平成31年から遺構が復元整備され、令和2年より一般公開されています。 入園は無料(茶室は有料・予約制)で、朝9時から夜10時まで見学できます。入口は躊躇しそうな立派な門構えですが、鹿よけの柵を自分で引いて入りましょう。 池の周囲にめぐらされた園内の小路を歩くと、竹林、茶室、池、橋、石塔など場所によって景色が変わるのが特徴です。近代の奈良の文化人らが交流した往時の雰囲気を味わえますよ。庭園の隣には、宿泊・飲食・交流の複合リゾート「ふふ奈良」があります。 瑜伽山園地(旧山口氏南都別邸庭園) 住所: 奈良市高畑町1184-1MAP TEL: 0742-22-5911(吉城園:受付9:00~17:00) 営業時間: 9:00~22:00(最終入園 21:30) 定休日: 2/24~2月末 入園料: 無料 ※茶室「蘀庵」は有料(予約制) 駐車場: 近隣に有料パーキングあり ❺ 鹿の子(かのこ) 木下さんオススメ、地元や観光客に人気のお食事処。にゅうめんや釜めしを提供。 三輪そうめんの「にゅうめん」は500円~、「にゅうめんと天丼セット」は1,000円。安くておいしくてボリューム満点。駐車場も完備しています。 鹿の子 住所: 奈良市高畑町1307-1MAP TEL: 0742-27-5036 営業時間: 11:00~14:00頃 定休日: 木曜 ❻ 入江泰吉記念奈良市写真美術館 新薬師寺近く、黒川紀章氏が設計したモダンな美術館。 奈良大和路の写真家・入江泰吉の作品や愛用品を展示するほか、高校生の写真展など季節毎の企画展も行われています。入江泰吉の代表作や歩みを知れる映像ルームは、見応えあっておススメです! ガラス張りのギャラリーからの外の景色も素敵! 入江泰吉記念奈良市写真美術館 住所: 奈良市高畑町600-1MAP TEL: 0742-22-9811 開館時間: 9:30~17:00(入館は16:30まで) 休館日: 月曜(休日の場合は翌平日)、休日の翌日(その日が平日の場合)、展示替え期間 ※展示計画によって変わります(要問合せ)、年末年始 観覧料: 一般 500円、高大生 200円、小中生 100円、奈良市在住の70歳以上の方 無料 【毎週土曜】小中高生は無料※2026年4月に価格改定予定 駐車場: あり(39台) 史跡 ❼ 頭塔(ずとう) 奈良時代の高僧・玄昉(げんぼう)の頭を埋めた首塚の伝説から「頭塔」と呼ばれるが、実際は土塔(どとう)が訛ったと思われる。 五重塔と同じく仏舎利を収める仏塔で、修二会を始めた東大寺の僧実忠が、良弁の命により767年に造営したとされる。現在の頭塔は、南側は森の状態で、発掘調査で遺構解明された北側が復原整備されている。 1辺32mの基壇に7段の階段状土壇を建て、4面に全44基 (うち28基が確認)の石仏を配置した摩訶不思議な塔 頭塔石仏は、奈良時代後期の石仏として美術史上とても貴重な存在! にっしー 玄昉の伝説 玄昉は、藤原仲麻呂の台頭により大宰府へ左遷された後、藤原広嗣の怨念により空中でバラバラにされ命を落としたという伝説。その玄昉の頭が落ちたのが頭塔と伝わっています。他にも玄昉(かいな)の肘が落ちてきた「肘塚町(かいのづか)」、眉と目が落ちてきた「眉目山町(まめやまちょう)」が転じた大豆山町が、奈良市内の地名に残されています。 ※諸説あり 史跡・頭塔 住所: 奈良市高畑町921MAP 営業時間: 10:00~17:00 定休日: 月曜、不定休 ※近隣にある現地管理人「あーとさろん宮崎」で協力金を払えば見学可能〈予約不要〉 料金: 協力金300円(18歳未満及び高校生は無料) ❽ ピークスベニエ フランス発祥、米ニューオーリンズ育ちの四角いドーナツ「ベニエ」の国内唯一!? の専門店。白い粉糖をこぼさないようゆっくり口に運ぶと、サクふわっ、ほんのり甘くてやさしい味が、じんわりと広がる。植物の根を焙煎したノンカフェインのハーブコーヒー、チコリコーヒーと一緒にどうぞ。 プレーンベニエ 2P 400円/チコリコーヒー 550円 PEAKS BEIGNET 住所: 奈良市高畑町1002MAP 営業時間: 11:00~18:00 定休日: 不定休(インスタグラムで告知) 駐車場: 近隣に有料駐車場あり 「ピークスベニエ」の詳細情報を見る ❾ 福智院 本堂に入ると、総高6メートルを超えるお地蔵さんの姿に圧倒される。本尊の地蔵菩薩坐像は鎌倉初期(1203年)の桧の寄木造で、高い台座に座り、びっしりと小型の化仏をつけた立派な光背を負っておられる。 福智院の前身は、736年に聖武天皇の勅願で、玄昉が建立した奈良清水寺。1254年に大乗院門跡の実信が興正菩薩叡尊の協力で再興し、福智院として創建。現在も近隣は上・中・下清水という地名が残るほど、当時は広大な敷地だった。本堂と本尊とも、重要文化財に指定。 このお地蔵さんの迫力、何度来ても見とれてしまいます にっしー 光背の化仏が560体、左右にある六地蔵と本尊を合わせて計567体。釈迦入滅後、56億7000万年後の弥勒菩薩が出現するまで、お地蔵様が守ってくれることを表しています。 清冷山 福智院 住所: 奈良市福智院町46MAP TEL: 0742-22-1358 営業時間: 9:00~16:00 拝観料: 大人500円、小学生250円(特別展 大人600円、小学生300円) 「福智院」の詳細情報を見る 【旅を終えて】 木下さんとの旅当日は、まさに1月の大寒波。しんとした空気の中、白い息を吐きながら歩きました。草木や花が咲く春の季節に再訪したいなと思いました。